学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §10 感覚器系 / QJ27A059

理由で解く 柔道整復師

QJ27A059 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問59
問題
内耳に含まれるのはどれか。
選択肢
1 鼓膜
2 鼓室
3 前庭
4 耳管
解答
正解3(前庭)
解説

正しいのは3です。前庭は、蝸牛・骨半規管とともに内耳の骨迷路を構成する部分です。

耳は外耳・中耳・内耳の3つに分けます。外耳は耳介と外耳道からなり、その奥の境界が鼓膜です。中耳は鼓室(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の耳小骨が入る)と、鼓室を上咽頭につなぐ耳管、後方に広がる乳突蜂巣からなります。内耳は側頭骨錐体の内部にある骨迷路と、その中に浮かぶ膜迷路からできています。骨迷路は前方から蝸牛・前庭・骨半規管の3部で、前庭の中には卵形嚢と球形嚢が入り、平衡斑(耳石器)が直線加速度と頭位を感じます。骨半規管の中の膨大部稜が回転加速度を、蝸牛管の中のコルチ器(ラセン器)が音を受容します。「外耳=集音、中耳=伝音、内耳=感音(聴覚と平衡覚)」という機能の流れで並べると、どの部品がどこに属するか自然に整理できます。

✗ 1. 誤り
鼓膜
鼓膜は外耳道の最深部にあり、外耳と中耳の境界をなす薄い膜です(鼓室の外側壁にあたり、教科書により外耳に含める場合と中耳側で扱う場合があります)。いずれにせよ内耳ではありません。音の振動をツチ骨に伝えるのが役割です。
✗ 2. 誤り
鼓室
鼓室は中耳の本体で、鼓膜の内側にある小さな空洞です。中に3つの耳小骨が連結して入り、鼓膜の振動を増幅して前庭窓(卵円窓)から内耳へ伝えます。
✓ 3. 正しい
前庭
前庭は骨迷路のうち蝸牛と骨半規管の間にある部分で、内耳に属します。中に卵形嚢・球形嚢を入れ、平衡斑(耳石器)が直線加速度と頭の傾きを感受します。外側壁にはアブミ骨底がはまる前庭窓(卵円窓)があります。
✗ 4. 誤り
耳管
耳管は鼓室と上咽頭を結ぶ管で、中耳に属します。嚥下やあくびのときに開いて鼓室内の圧を外気圧と等しく保ちます。小児では短く太く水平に近いため、上気道炎から中耳炎を起こしやすいことも知られています。
ポイント
  • 外耳=耳介・外耳道/中耳=鼓室・耳小骨・耳管・乳突蜂巣/内耳=骨迷路と膜迷路。
  • 鼓膜=外耳と中耳の境界(鼓室の外側壁をなす)。内耳には含まれない。
  • 骨迷路は前から蝸牛・前庭・骨半規管の3部。膜迷路は蝸牛管・卵形嚢・球形嚢・膜半規管。
  • 前庭(卵形嚢・球形嚢の平衡斑)=直線加速度と頭位、骨半規管(膨大部稜)=回転加速度。
  • 聴覚の受容器は蝸牛管のコルチ器(ラセン器)。耳小骨はツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨の順に連なり、アブミ骨底が前庭窓にはまる。
比較表
区分含まれるものはたらき
外耳耳介、外耳道音を集めて鼓膜に伝える(集音)
(境界)鼓膜外耳と中耳の境界。鼓室の外側壁をなす音の振動を受けてツチ骨へ伝える
中耳鼓室、耳小骨(ツチ・キヌタ・アブミ)、耳管、乳突蜂巣振動を増幅して内耳へ(伝音)、鼓室内圧の調節
内耳骨迷路=蝸牛・前庭・骨半規管/膜迷路=蝸牛管・卵形嚢・球形嚢・膜半規管聴覚(コルチ器)と平衡覚(平衡斑・膨大部稜)(感音)
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