学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §10 感覚器系 / QJ26A059

理由で解く 柔道整復師

QJ26A059 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問59
問題
中耳に存在するのはどれか。
選択肢
1 耳道腺
2 耳管
3 骨迷路
4 平衡砂
解答
正解2(耳管)
解説

中耳は鼓室・耳小骨・耳管・乳突洞と乳突蜂巣から成ります。選択肢のうち中耳に属するのは耳管です。

耳は外耳・中耳・内耳の3つに分けられます。外耳は耳介と外耳道で、外耳道の皮膚には耳毛と耳道腺(耳垢腺)があり、皮脂腺の分泌物とともに耳垢をつくります。中耳は鼓膜の内側にある空気の部屋(鼓室)を中心とし、その中でツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨の3つの耳小骨が連結して、鼓膜の振動を内耳の前庭窓へ効率よく伝えます。鼓室から前下方へ伸びる耳管は上咽頭(耳管咽頭口)に開き、嚥下やあくびのときに一瞬開いて鼓室内の気圧を外気と等しく保ちます。内耳は側頭骨錐体の中にあり、骨迷路(前庭・骨半規管・蝸牛)とその中に収まる膜迷路からなります。蝸牛管のらせん器(コルチ器)が聴覚を、卵形嚢・球形嚢の平衡斑(表面に平衡砂=耳石が乗る)と半規管の膨大部稜が平衡覚を受け取ります。「空気の入った部屋なら中耳、リンパで満たされた骨の中なら内耳」という分け方で判断すると確実です。

✓ 2. 正しい
耳管
鼓室と上咽頭を結ぶ管で、中耳に属します。鼓室内の気圧を外気と等しく保つ働きがあり、飛行機やエレベーターで耳が詰まったときに唾を飲むと通るのはこのためです。小児では耳管が短く太く水平に近いため、上咽頭の炎症が中耳へ及びやすくなります。
✗ 1. 誤り
耳道腺
外耳道の皮膚にあるアポクリン腺(耳垢腺)で、外耳の構造です。皮脂腺の分泌物や剥がれた表皮とともに耳垢をつくります。
✗ 3. 誤り
骨迷路
側頭骨錐体の中にあるトンネル状の骨の空洞で、前庭・骨半規管・蝸牛からなる内耳の構造です。中は外リンパで満たされ、その内側に膜迷路が浮かんでいます。
✗ 4. 誤り
平衡砂
内耳の卵形嚢・球形嚢にある平衡斑の表面、ゼラチン状の膜の上に乗る炭酸カルシウムの結晶(耳石)です。頭の傾きや直線加速度を感じ取る役目を持つ、内耳の構造です。
ポイント
  • 外耳=耳介+外耳道(耳毛・耳道腺=耳垢腺)。
  • 中耳=鼓室+耳小骨(ツチ・キヌタ・アブミ)+耳管+乳突洞・乳突蜂巣。
  • 内耳=骨迷路(前庭・半規管・蝸牛)と膜迷路。らせん器=聴覚、平衡斑(平衡砂)と膨大部稜=平衡覚。
  • 耳管は鼓室内圧を外気と等しく保つ。小児で中耳炎が起きやすい理由に直結する。
  • 迷ったら「空気の部屋か、リンパで満たされた骨の中か」で中耳と内耳を切り分ける。
比較表
区分おもな構成役割
外耳耳介、外耳道(耳毛・耳道腺=耳垢腺)音を集めて鼓膜へ導く
中耳鼓室、耳小骨(ツチ・キヌタ・アブミ)、耳管、乳突洞・乳突蜂巣鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝える/鼓室内圧の調整(耳管)
内耳骨迷路(前庭・骨半規管・蝸牛)と膜迷路(蝸牛管・球形嚢・卵形嚢・膜半規管)らせん器=聴覚、平衡斑(平衡砂)と膨大部稜=平衡覚
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