学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ27A058

理由で解く 柔道整復師

QJ27A058 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問58
問題
動眼神経支配を受けるのはどれか。
選択肢
1 眼輪筋
2 毛様体筋
3 瞳孔散大筋
4 上斜筋
解答
正解2(毛様体筋)
解説

正しいのは2です。毛様体筋は動眼神経に含まれる副交感神経線維(毛様体神経節で中継)に支配されます。

動眼神経は2つの成分をもつ点が最重要です。ひとつは中脳の動眼神経核から出る体性運動線維で、外眼筋のうち上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋の4つと、上眼瞼挙筋を支配します。もうひとつは動眼神経副核(Edinger‑Westphal核)から出る副交感線維で、眼窩内の毛様体神経節でニューロンを換え、短毛様体神経となって瞳孔括約筋と毛様体筋に分布します。近くを見るときは毛様体筋が収縮して毛様体小帯がゆるみ、水晶体が自身の弾性で厚くなって屈折力が増します。同時に縮瞳と輻輳が起こる近見反応も、同じ動眼神経の副交感成分が関わっています。外眼筋の支配は「外側直筋=外転神経(VI)、上斜筋=滑車神経(IV)、残りは全部動眼神経(III)」の順で確認するのが確実です。

✗ 1. 誤り
眼輪筋
眼輪筋は眼瞼を閉じる表情筋で、顔面神経(VII)の支配です。顔面神経麻痺で閉眼できなくなるのはこの筋の麻痺によります。なお眼瞼を挙げる上眼瞼挙筋のほうが動眼神経支配で、「閉じる=顔面神経、挙げる=動眼神経」と対で覚えます。
✓ 2. 正しい
毛様体筋
動眼神経副核から出た副交感線維が毛様体神経節で中継され、短毛様体神経となって毛様体筋に分布します。収縮すると毛様体小帯がゆるみ、水晶体が厚くなって近くにピントが合います(遠近調節)。
✗ 3. 誤り
瞳孔散大筋
瞳孔散大筋は交感神経支配です。上頸神経節で換わった節後線維が長毛様体神経を経て分布し、収縮すると散瞳します。動眼神経の副交感が支配するのは、これと拮抗する瞳孔括約筋(縮瞳)のほうです。
✗ 4. 誤り
上斜筋
上斜筋は滑車神経(IV)の支配です。眼窩内側の滑車を通って向きを変えるという特徴的な走行から名前がついています。外眼筋6つのうち、動眼神経が支配しないのは上斜筋と外側直筋の2つだけです。
ポイント
  • 動眼神経の体性運動:上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋+上眼瞼挙筋
  • 動眼神経の副交感(動眼神経副核→毛様体神経節→短毛様体神経):瞳孔括約筋・毛様体筋
  • 上斜筋=滑車神経(IV)、外側直筋=外転神経(VI)。残る外眼筋はすべて動眼神経(III)。
  • 瞳孔散大筋は交感神経(上頸神経節→長毛様体神経)。括約筋との拮抗で瞳孔径が決まる。
  • 眼輪筋は表情筋なので顔面神経(VII)。眼瞼を「閉じる=VII、挙げる=III」。
比較表
支配神経成分
上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋・上眼瞼挙筋動眼神経(III)体性運動
毛様体筋・瞳孔括約筋動眼神経(III)副交感(毛様体神経節で中継)
上斜筋滑車神経(IV)体性運動
外側直筋外転神経(VI)体性運動
眼輪筋顔面神経(VII)体性運動(表情筋)
瞳孔散大筋交感神経交感(上頸神経節→長毛様体神経)
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