学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §4 消化器系 / QJ27A044

理由で解く 柔道整復師

QJ27A044 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問44
問題
腹膜垂がみられるのはどれか。
選択肢
1 十二指腸
2 回腸
3 横行結腸
4 直腸
解答
正解3(横行結腸)
解説

腹膜垂は結腸ヒモに沿って並ぶ脂肪の小袋で、結腸に特有の構造です。選択肢では横行結腸だけが結腸にあたります。

腹膜垂(脂肪垂)は、漿膜に包まれた脂肪組織が腸壁から小さくぶら下がった突起で、結腸ヒモに沿って並びます。結腸ヒモ・結腸膨起とともに「大腸の3徴」を構成し、盲腸からS状結腸までに認められます。とくに横行結腸とS状結腸でよく発達します。一方、直腸では縦走筋が再び全周に広がって結腸ヒモがなくなるため、腹膜垂も結腸膨起も見られません。小腸(十二指腸・空腸・回腸)の表面は平滑で、腹膜垂はありません。臨床的には、腹膜垂は茎が細く血流も細いため、ねじれると壊死して急性腹症に似た限局性の腹痛を起こすことがあります(腹膜垂炎)。開腹や内視鏡で「どの腸か」を判別する実用的な指標でもあります。

✓ 3. 正しい
横行結腸
結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂という大腸の3徴がすべてそろいます。とくに横行結腸では腹膜垂がよく発達し、外から見てすぐそれと分かります。
✗ 1. 誤り
十二指腸
小腸の一部です。内面の輪状ヒダと粘膜下の十二指腸腺(ブルンネル腺)が特徴で、表面に腹膜垂はありません。大部分は二次性後腹膜器官として後腹壁に固定されています。
✗ 2. 誤り
回腸
小腸です。粘膜側では集合リンパ小節(パイエル板)が特徴ですが、漿膜面は平滑で腹膜垂はありません。
✗ 4. 誤り
直腸
大腸ではありますが、縦走筋が全周に広がって結腸ヒモを失うため、それに沿って並ぶ腹膜垂も、結腸膨起もありません。「大腸=腹膜垂あり」と早合点しないよう注意が必要な肢です。
ポイント
  • 腹膜垂=結腸ヒモに沿って並ぶ、漿膜に包まれた脂肪の小袋
  • 大腸の3徴=結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂。盲腸〜S状結腸に見られる
  • 直腸では縦走筋が全周に広がるため、3徴がすべて消える
  • 小腸(十二指腸・空腸・回腸)に腹膜垂はない
  • 横行結腸・S状結腸で腹膜垂がよく発達する
比較表
小腸結腸(盲腸〜S状結腸)直腸
結腸ヒモなし3本ありなし
結腸膨起なしありなし
腹膜垂なしありなし
縦走筋層全周に均一3本の帯に集まる全周に均一
粘膜の特徴輪状ヒダ・絨毛・パイエル板半月ヒダ、絨毛なし横ヒダ(ヒューストン弁)
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