学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ27A035

理由で解く 柔道整復師

QJ27A035 解剖学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問35
問題
顔面神経支配を受けるのはどれか。
選択肢
1 側頭筋
2 口輪筋
3 外側翼突筋
4 内側翼突筋
解答
正解2(口輪筋)
解説

口輪筋は表情筋の代表で、顔面神経に支配されます。側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋はいずれも咀嚼筋で、三叉神経(下顎神経)支配です。

顔の筋肉は発生の由来で2群にきれいに分かれます。第二鰓弓(咽頭弓)に由来する表情筋は顔面神経(Ⅶ)に支配され、第一鰓弓に由来する咀嚼筋は三叉神経の第3枝である下顎神経(Ⅴ3)に支配されます。表情筋は骨から起こって皮膚に停止する「皮筋」で、収縮すると皮膚そのものを動かして表情をつくります。口輪筋・眼輪筋・頬筋・前頭筋・大頬骨筋・広頸筋などが仲間です。対する咀嚼筋は下顎骨を動かす4筋、すなわち咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋に限られます。顔面神経麻痺で閉眼や口を閉じる動作ができなくなっても噛む力は落ちないのは、咀嚼筋が別系統(三叉神経)で保たれるからです。この対比を押さえると鑑別が一気に楽になります。

✓ 2. 正しい
口輪筋
口裂を輪状に取り囲む表情筋で、口を閉じる・すぼめる働きをします。顔面神経の頬筋枝・下顎縁枝が支配します。麻痺すると口角が下がり、口を閉じられずに飲食物や唾液がこぼれます。
✗ 1. 誤り
側頭筋
咀嚼筋です。側頭窩から起こり頬骨弓の内側を通って下顎骨の筋突起に停止し、下顎を挙上(閉口)させ、後部線維は下顎を後方へ引きます。支配は下顎神経です。
✗ 3. 誤り
外側翼突筋
咀嚼筋です。両側が働くと下顎頭を関節結節へ引き出して開口の始動を担い、片側だけ働くと下顎を反対側へ動かします。支配は下顎神経です。
✗ 4. 誤り
内側翼突筋
咀嚼筋です。咬筋と内外から下顎枝を挟み込むように付き、協力して下顎を強く挙上します。支配は下顎神経です。
ポイント
  • 表情筋=第二鰓弓由来・顔面神経(Ⅶ)支配・皮膚に停止する皮筋
  • 咀嚼筋=第一鰓弓由来・下顎神経(Ⅴ3)支配・下顎骨を動かす4筋(咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋)
  • 咀嚼筋で「翼突筋」と名のつくものは内側・外側の2つだけ。どちらも三叉神経支配
  • 閉口=咬筋・側頭筋・内側翼突筋/開口の始動=外側翼突筋(+顎二腹筋など舌骨上筋群)
  • 顔面神経麻痺では表情が作れなくなるが咀嚼力は保たれる(支配神経が別だから)
比較表
表情筋咀嚼筋
支配神経顔面神経(Ⅶ)三叉神経第3枝=下顎神経(Ⅴ3)
発生の由来第二鰓弓第一鰓弓
停止部皮膚(皮筋)下顎骨
代表例口輪筋・眼輪筋・頬筋・前頭筋・広頸筋咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋
働き表情をつくる、口裂・眼裂を閉じる咬む(開口・閉口・すりつぶし)
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