学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ27A019

理由で解く 柔道整復師

QJ27A019 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問19
問題
高齢者骨折の特徴で正しいのはどれか。
選択肢
1 関節拘縮が少ない。
2 骨膜の連続性は保たれやすい。
3 海綿骨の多い部位に発生しやすい。
4 阻血性壊死を生じやすい。
解答
正解3(海綿骨の多い部位に発生しやすい。)
解説

高齢者は骨粗鬆症により海綿骨が疎になるため、海綿骨に富む部位に骨折が起こりやすくなります。正解は3。

加齢とともに骨吸収が骨形成を上回ると、緻密骨より先に梁状構造の海綿骨から粗になります。そのため椎体、大腿骨近位部、橈骨遠位端、上腕骨近位端といった海綿骨の多い部位に、転倒や尻もちなど比較的弱い外力で骨折が生じます(脆弱性骨折)。高齢者では骨癒合に時間がかかるうえ、固定や安静が長引くと関節拘縮、廃用性の筋萎縮、心肺機能や認知機能の低下も招きやすくなります。したがって固定は必要最小限の範囲と期間にとどめ、固定していない関節の自動運動や離床を早期から取り入れて、生活機能を保つ視点をもつことが大切です。

✓ 3. 正しい
海綿骨の多い部位に発生しやすい。
骨粗鬆症では海綿骨から先に粗になるため、椎体・大腿骨近位部・橈骨遠位端・上腕骨近位端など海綿骨に富む部位に好発します。
✗ 1. 誤り
関節拘縮が少ない。
高齢者はむしろ関節拘縮を起こしやすく、後遺症として残りやすいのが特徴です。拘縮が少なく回復も速いのは小児の骨折の特徴です。
✗ 2. 誤り
骨膜の連続性は保たれやすい。
骨膜が厚く強靱で連続性が保たれやすく、若木骨折を起こすのは小児の特徴です。高齢者の骨膜は薄く脆弱で、骨形成能も低下しています。
✗ 4. 誤り
阻血性壊死を生じやすい。
阻血性骨壊死は大腿骨頸部内側、手の舟状骨、距骨など血行に乏しい特定部位の骨折で起こる合併症で、年齢よりも骨折部位によって決まります。高齢者骨折全般に共通する特徴とはいえません。
ポイント
  • 高齢者骨折の背景は骨粗鬆症。海綿骨から粗になる。
  • 好発部位=椎体、大腿骨近位部、橈骨遠位端、上腕骨近位端。
  • 高齢者は骨癒合が遅く、関節拘縮を起こしやすい
  • 骨膜が厚く連続性が保たれやすい(若木骨折)のは小児
  • 阻血性壊死は年齢ではなく骨折部位(大腿骨頸部内側・舟状骨・距骨など)で決まる。
比較表
項目小児高齢者
骨膜厚く強靱、連続性が保たれやすい薄く脆弱
特徴的な骨折型若木骨折、骨端線損傷脆弱性骨折(海綿骨部)
骨癒合速い遅い
変形の自家矯正期待できる期待できない
関節拘縮少ない起こしやすい
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