学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ27A017

理由で解く 柔道整復師

QJ27A017 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問17
問題
大腿骨骨折で近位骨片が屈曲・外転・外旋転位するのはどれか。
選択肢
1 上1/3部の骨折
2 中1/3部の骨折
3 下1/3部の骨折
4 顆上伸展型骨折
解答
正解1(上1/3部の骨折)
解説

近位骨片が屈曲・外転・外旋に転位するのは大腿骨骨幹部の上1/3部(近位1/3部)の骨折です。

骨片の転位方向は「その骨片に付いている筋がどちらへ引くか」で決まります。上1/3で折れると、近位骨片には小転子に付く腸腰筋(屈曲)、大転子に付く中殿筋・小殿筋(外転)、そして外旋筋群(外旋)だけが残るため、近位骨片は屈曲・外転・外旋位をとります。一方の遠位骨片は内転筋群に引かれて内上方へ転位するので、全体として近位骨片が浮き上がったような形になります。整復・固定の原則は「遠位骨片を近位骨片の向きに合わせる」ことなので、股関節を屈曲・外転・外旋位に保った肢位で牽引・固定を行います。骨幹部骨折は出血量が多く、ショックや脂肪塞栓にも注意しながら医療機関へつなぎます。

✓ 1. 正しい
上1/3部の骨折
近位骨片に腸腰筋(屈曲)・中殿筋/小殿筋(外転)・外旋筋群(外旋)が付着して残るため、屈曲・外転・外旋の3方向へ転位します。遠位骨片は内転筋群で内上方へ引かれます。
✗ 2. 誤り
中1/3部の骨折
近位骨片の屈曲・外転は軽度にとどまり、遠位骨片が内転筋群に引かれて内方へ入るため、外方に凸の変形が主体となります。屈曲・外転・外旋が明瞭に出るのは上1/3です。
✗ 3. 誤り
下1/3部の骨折
遠位骨片が腓腹筋に引かれて後方へ転位するのが特徴で、膝窩の血管・神経を圧迫・損傷する危険があります。転位の主役は近位骨片ではありません。
✗ 4. 誤り
顆上伸展型骨折
遠位骨片が後方へ転位する型で、やはり近位骨片の屈曲・外転・外旋が特徴となる骨折ではありません。膝窩動脈損傷の有無の確認が重要になります。
ポイント
  • 転位は付着する筋の牽引方向で決まる、と考えれば丸暗記が不要になる。
  • 上1/3:近位骨片=屈曲(腸腰筋)・外転(中殿筋/小殿筋)・外旋(外旋筋群)、遠位骨片=内上方。
  • 中1/3:遠位骨片が内転筋群に引かれ、外方凸の変形をとる。
  • 下1/3・顆上部:遠位骨片が腓腹筋で後方転位し、膝窩動脈・神経損傷に注意。
  • 整復・固定は「遠位骨片を近位骨片の向きに合わせる」のが原則。
比較表
骨折部位近位骨片の転位遠位骨片の転位注意点
上1/3部屈曲・外転・外旋内転筋群により内上方固定は屈曲・外転・外旋位
中1/3部軽度の屈曲・外転内転・後上方外方凸の変形
下1/3部内転筋群により内方腓腹筋により後方膝窩の血管・神経損傷
顆上伸展型比較的保たれる後方膝窩動脈損傷の確認
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