学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ26P078

理由で解く 柔道整復師

QJ26P078 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問78
問題
上腕骨近位端部骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 骨頭骨折は骨癒合が良好である。
2 解剖頸骨折は関節内血腫が著明である。
3 骨端線離開は肩関節内転・屈曲位固定する。
4 小結節単独骨折は肩関節前方脱臼に合併する。
解答
正解2(解剖頸骨折は関節内血腫が著明である。)
解説

解剖頸は関節包の内側にあります。ここが折れれば出血は関節腔に閉じ込められるため関節内血腫が著明となり、2が正しい記述です。

上腕骨近位端は、関節包が解剖頸に付着し外科頸は包の外にある、という位置関係がすべての判断の起点になります。解剖頸骨折は関節内骨折なので、出血が関節腔に貯留して関節血腫が強く出る一方、皮下出血斑は出にくく、骨頭への血行も断たれやすいため骨癒合不良や阻血性骨壊死のリスクを負います。対照的に外科頸骨折は関節包外で起こるため、血液が周囲の軟部組織へ広がり、上腕内側から前胸部・側胸部にかけての皮下出血斑として現れます。この違いは腫れ方の観察からも読み取れるので、所見と解剖を結びつけて理解しておくと応用が利きます。

✓ 2. 正しい
解剖頸骨折は関節内血腫が著明である。
解剖頸は関節包の内側にあるため、骨折による出血が関節腔に貯留します。関節内骨折であることから骨癒合の条件も厳しく、骨頭の阻血性骨壊死を含めた合併症の管理が必要で、早期に医師の診察へつなぐ判断が求められます。
✗ 1. 誤り
骨頭骨折は骨癒合が良好である。
骨頭骨折は関節内骨折で、骨頭への血行が乏しいうえ骨折面が関節液にさらされます。骨癒合は不良で阻血性骨壊死を起こしやすく、良好とはいえません。
✗ 3. 誤り
骨端線離開は肩関節内転・屈曲位固定する。
上腕骨近位骨端線離開では骨端側が外転・外旋位に残り、骨幹側が前内方へ引かれる型が大半とされます。整復位を保つには外転・軽度屈曲(挙上)位で固定するのが原則で、内転位固定は転位を助長しかねません。骨端線に近い部位のため自家矯正が期待でき、予後は比較的良好です。
✗ 4. 誤り
小結節単独骨折は肩関節前方脱臼に合併する。
前方脱臼に合併するのは大結節骨折です。小結節は肩甲下筋腱の停止部で、その牽引による裂離は後方脱臼に伴って起こります。大結節=前方脱臼、小結節=後方脱臼、と付着筋から整理できます。
ポイント
  • 関節包は解剖頸に付着する。解剖頸=関節内、外科頸=関節外。
  • 解剖頸骨折→関節内血腫が著明、皮下出血斑は出にくい、骨癒合不良・阻血性骨壊死。
  • 外科頸骨折→上腕内側〜前胸部の皮下出血斑。高齢者に多い。
  • 骨端線離開は外転型が大半で外転・軽度屈曲位固定。自家矯正が期待でき予後良好。
  • 大結節骨折=前方脱臼に合併/小結節骨折=後方脱臼に合併(肩甲下筋の牽引)。
比較表
項目解剖頸骨折外科頸骨折
関節包との位置関節包内(関節内骨折)関節包外
出血の現れ方関節内血腫が著明上腕内側〜前胸部の皮下出血斑
骨癒合不良、阻血性骨壊死のリスク比較的良好
頻度まれ高齢者に多い
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。