学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §24 部位別各論 足・足趾 / QJ26P064

理由で解く 柔道整復師

QJ26P064 整形外科学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問64
問題
外反母趾で正しいのはどれか。
選択肢
1 第1中足骨が外反している。
2 凹足変形を合併する。
3 母趾は外旋する。
4 女性に多い。
解答
正解4(女性に多い。)
解説

外反母趾は、母趾の基節骨が外反しながら回内し、第1中足骨は逆に内反する変形である。中年以降の女性に圧倒的に多く、正解は4。

母趾中足趾節(MTP)関節で基節骨が小趾側へ傾き(母趾外反角の増大)、土台となる第1中足骨は内側へ開く(第1・第2中足骨間角の増大)。同時に母趾は回内し、爪の面が内側を向く。第1中足骨頭の内側は突出して滑液包炎(バニオン)を起こし、横アーチが低下した開張足を合併して第2・第3中足骨頭の足底に胼胝ができやすい。前足部が広がると、押しやられた第2趾に槌趾(hammer toe:PIP関節の屈曲が主体)を生じることも多い。誘因は先の細い靴やハイヒール、内側縦アーチが低下した扁平足や横アーチが低下した開張足、関節リウマチ、加齢による足部支持機構の弛緩で、性差が大きく女性に多い。まずは足趾・足底の筋を使う運動、足底挿板、足に合う靴への変更といった保存療法から始め、疼痛や変形が強い例で手術を検討する。

✓ 4. 正しい
女性に多い。
外反母趾は女性に圧倒的に多く、中年以降で受診が増える。つま先の細い靴やヒールの高い靴で母趾が外側へ押しやられること、関節弛緩性が高いこと、開張足を伴いやすいことなどが背景として挙げられる。問診では靴の形・履いている時間・立ち仕事の有無まで確認し、足幅に合った靴とアーチ支持の指導につなげる。
✗ 1. 誤り
第1中足骨が外反している。
外反するのは母趾の基節骨で、第1中足骨は逆に内反(内転)して第2中足骨から離れていく。この開きが第1・第2中足骨間角の増大であり、結果として第1中足骨頭の内側が突出する。母趾外反角(基節骨の傾き)と中足骨間角(中足骨の開き)は別の指標として分けて押さえると、この種の引っかけに惑わされない。
✗ 2. 誤り
凹足変形を合併する。
合併しやすいのは、横アーチが低下した開張足である。加えて、内側縦アーチが低下した扁平足を伴うことも多い(開張足=横アーチの低下、扁平足=内側縦アーチの低下と、どのアーチが落ちるのかで区別する)。一方の凹足はこれらとは反対に縦アーチが高くなる変形で、シャルコー・マリー・トゥース病や二分脊椎など神経筋疾患に伴い、鉤爪趾(claw toe:MTP関節が過伸展し、PIP・DIP関節が屈曲する)を合併しやすい。なお外反母趾で合併しやすい足趾変形は第2趾の槌趾(hammer toe:PIP関節の屈曲が主体)であり、凹足の鉤爪趾とは別物として整理する。足を診るときは、荷重位で縦アーチが高いのか低いのか、前足部の幅が広がっていないか、足趾がどの関節で曲がっているかを実際に確認して区別する。
✗ 3. 誤り
母趾は外旋する。
母趾は外反に伴って回内(内旋)し、爪の面が内側を向くようになる。母趾外転筋の作用線が足底側へずれ、屈筋・伸筋腱が外側へ引かれることで回旋成分が加わるためである。外観を見るときは、母趾の傾きだけでなく爪がどちらを向いているかを併せて観察すると、回内変形の程度を捉えやすい。
ポイント
  • 外反母趾=母趾基節骨が外反し、同時に回内する。第1中足骨は逆に内反(内転)する。
  • 母趾外反角(基節骨の傾き)と第1・第2中足骨間角(中足骨の開き)は別指標として区別する。
  • 合併しやすいのは横アーチが低下した開張足。内側縦アーチが低下した扁平足を伴うことも多い(開張足=横アーチ低下/扁平足=内側縦アーチ低下)。
  • 凹足は縦アーチが高くなる別系統の変形で、神経筋疾患に伴い鉤爪趾(claw toe:MTP過伸展+PIP・DIP屈曲)を合併しやすい。外反母趾で合併するのは第2趾の槌趾(hammer toe:PIP屈曲主体)。
  • 女性に圧倒的に多く、先の細い靴やハイヒール、関節リウマチ、加齢が誘因。
  • 第1中足骨頭内側のバニオン、第2・第3中足骨頭足底の胼胝、第2趾の槌趾を確認し、靴の変更・足底挿板・足趾の運動から始める。
比較表
着目点外反母趾での実際紛らわしい表現
母趾基節骨外反(小趾側へ傾く)+回内し、爪が内側を向く「外旋する」は誤り
第1中足骨内反(内転)し、中足骨間角が増大する「外反している」は誤り
足のアーチ横アーチが低下して開張足になる。内側縦アーチが低下した扁平足の合併も多い「凹足を合併」は誤り
足趾変形第2趾の槌趾(hammer toe:PIP関節の屈曲が主体)を合併しやすい凹足に伴う鉤爪趾と混同しない
好発中年以降の女性に圧倒的に多い
参考:凹足縦アーチが高い足。神経筋疾患(シャルコー・マリー・トゥース病、二分脊椎など)に伴い、鉤爪趾(claw toe:MTP過伸展+PIP・DIP屈曲)を合併しやすい外反母趾とは別系統の変形
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