学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §12 心肺蘇生法(救急法) / QJ26P053

理由で解く 柔道整復師

QJ26P053 外科学概論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問53
問題
補助器具を用いない人工呼吸法の際、息を吹き込む時間で適切なのはどれか。
選択肢
1 1 秒
2 3秒
3 5 秒
4 7 秒
解答
正解1(1 秒)
解説

補助器具を用いない人工呼吸、つまり口対口人工呼吸では、1回の吹き込みを約1秒かけて行い、胸が上がるのが見える程度の量を送る。

一次救命処置での人工呼吸は「約1秒かけて、胸の上がりが確認できる量を2回」が基本である(第26回の出題当時に用いられていたJRC蘇生ガイドライン2015でもこの数値である)。これ以上長く、強く吹き込むと、空気が食道を通って胃に入り、胃内容の逆流と誤嚥を招く。さらに胸腔内圧が上がって心臓へ戻る静脈血が減り、胸骨圧迫で生み出される血流そのものを損なう。人工呼吸は胸骨圧迫30回に対して2回の割合で行い、そのための圧迫中断は10秒以内にとどめる。感染防護具がない、口対口をためらうといった状況では、無理をせず胸骨圧迫のみを続けてよい。まず通報とAEDの手配を行い、絶え間ない胸骨圧迫を優先することが救命率に直結する。

✓ 1. 正しい
1 秒
1回約1秒の送気で、胸の上がりが見える量を入れる。短く必要十分に入れることで、胃膨満を避けつつ胸骨圧迫の中断を最小限にできる。
✗ 2. 誤り
3秒
長すぎる。送気に時間をかけるほど胸骨圧迫の中断が延び、空気が胃に流入しやすくなる。
✗ 3. 誤り
5 秒
過大な送気は胃膨満から逆流・誤嚥を招き、胸腔内圧の上昇で静脈還流が減って心拍出量を下げる。なお「5〜6秒に1回換気」という数字は高度な気道確保後の換気の間隔であり、吹き込む時間ではない。
✗ 4. 誤り
7 秒
1回の送気時間としては明らかに長い。人工呼吸は「量も時間も控えめに、胸が上がればよい」と覚え、残りの時間は絶え間ない胸骨圧迫にあてる。
ポイント
  • 人工呼吸は1回約1秒かけ、胸の上がりが見える量を2回。
  • 強く長い送気は胃膨満から逆流・誤嚥を招き、胸腔内圧上昇で静脈還流と心拍出量を減らす。
  • 胸骨圧迫30回:人工呼吸2回。人工呼吸のための中断は10秒以内。
  • 人工呼吸ができない・ためらう場合は、胸骨圧迫のみを絶え間なく続ける。
  • 高度な気道確保後は「6秒に1回(10回/分)」の換気。これは吹き込む時間ではなく換気の間隔である点に注意。
比較表
項目数値の目安(成人・第26回出題当時のガイドライン)
1回の吹き込み時間約1秒(胸の上がりが見える量)
胸骨圧迫と人工呼吸の比30:2
胸骨圧迫の速さ100〜120回/分
胸骨圧迫の深さ約5cm(6cmを超えない)
圧迫中断の許容10秒以内
高度な気道確保後の換気6秒に1回(約10回/分)、圧迫は中断せず継続
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