学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §9 麻酔 / QJ26P047
理由で解く 柔道整復師
麻酔前投薬は「麻酔の導入と維持を安全・円滑にする」ための薬である。不安の除去、気道分泌の抑制、胃内容誤嚥の予防などが目的で、感染症の予防は含まれない。
手術部位感染を防ぐ予防的抗菌薬は、執刀前の決められた時間内に投与する感染管理上の措置であり、麻酔前投薬とは目的も管理も別枠である。前投薬に使われるのは、抗不安・鎮静・健忘をもたらすベンゾジアゼピン系、唾液や気道分泌を抑え迷走神経反射による徐脈を予防する抗コリン薬(アトロピン、スコポラミンなど)、胃液量を減らしpHを上げて誤嚥時の肺障害を軽くするH2受容体拮抗薬・プロトンポンプ阻害薬・消化管運動改善薬、必要に応じた鎮痛薬である。全身麻酔下では咳嗽反射や嚥下反射が消失するため、逆流した胃内容が肺に入るとMendelson症候群(酸性胃液による化学性肺炎)を起こす。だからこそ術前絶飲食とあわせて誤嚥予防が重視される。なお近年は作用時間の短い薬剤が普及し、前投薬を省略する例も多いが、「何のための薬か」を整理する問題として問われている。
| 目的 | 代表的な薬 | ねらい |
|---|---|---|
| 不安の除去 | ベンゾジアゼピン系(ミダゾラム等) | 鎮静・抗不安・健忘で循環変動を抑える |
| 気道分泌の抑制/徐脈予防 | 抗コリン薬(アトロピン、スコポラミン) | 分泌物による気道トラブルと迷走神経反射を防ぐ |
| 誤嚥の予防 | H2受容体拮抗薬、PPI、消化管運動改善薬 | 胃液量を減らしpHを上げ、誤嚥時の肺障害を軽くする |
| 鎮痛 | オピオイド等 | 導入時の疼痛・反応を抑える |
| (別枠)感染予防 | 予防的抗菌薬 | 手術部位感染の予防。前投薬の目的ではない |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。