学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §3 外科的感染症 / QJ26P046

理由で解く 柔道整復師

QJ26P046 外科学概論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問46
問題
誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 犬咬傷一・一次縫合
2 血管縫合-外翻縫合
3 消化管吻合-内翻縫合
4 感染創-デブリドマン
解答
正解1(犬咬傷一・一次縫合)
解説

犬咬傷は口腔内細菌で高度に汚染された挫滅創であり、閉じてしまうと嫌気環境をつくって感染を悪化させる。原則は一次縫合せず、洗浄・デブリドマンのうえ開放創とする。

咬創は鋭い牙による刺入と、噛みしめによる挫滅が同時に起こり、深部まで細菌(パスツレラ属、連鎖球菌、嫌気性菌など)が押し込まれる。ここを一次縫合すると細菌と壊死組織を密閉することになり、膿瘍や蜂窩織炎、まれにガス壊疽へ進む。したがって大量の生理食塩水で十分に洗浄し、壊死組織を切除して開放のままドレナージし、感染がないことを確認してから遅延一次縫合または二次縫合とするのが原則である(顔面など整容が優先される部位では十分な洗浄後に縫合することもある)。あわせて破傷風トキソイドの追加接種、狂犬病曝露の評価、抗菌薬投与、腱・神経・関節の損傷確認も行う。

✓ 1. これが答え(誤っている組合せ)
犬咬傷一・一次縫合
「犬咬傷-一次縫合」の組合せ。汚染創を密閉することになり感染を助長するため、この組合せが誤り。洗浄・デブリドマンののち開放創として管理し、感染がないことを確かめてから閉創する。
✗ 2. 正しい組合せ(答えではない)
血管縫合-外翻縫合
「血管縫合-外翻縫合」の組合せ。血管は断端をやや外向きに翻して内膜同士を密着させる。内膜以外の層が内腔に露出すると血小板が付着して血栓の起点になるため、内腔側をなめらかな内膜だけにする必要がある。
✗ 3. 正しい組合せ(答えではない)
消化管吻合-内翻縫合
「消化管吻合-内翻縫合」の組合せ。消化管は断端を内側に折り込み、漿膜同士を向かい合わせる。漿膜面は速やかに癒着・治癒するため、内容物の漏れ(縫合不全)を防げる。血管とは逆向きになる点が対比のポイント。
✗ 4. 正しい組合せ(答えではない)
感染創-デブリドマン
デブリドマンは壊死組織・異物・細菌を含む不良な組織を切除して創を清浄化する処置で、感染創・汚染創の治療の基本である。
ポイント
  • 咬傷・汚染創は一次縫合しない。洗浄+デブリドマン+開放(ドレナージ)→ 感染がなければ遅延一次縫合・二次縫合。
  • 犬猫咬傷では破傷風予防、狂犬病曝露の評価、抗菌薬投与、深部(腱・神経・関節)損傷の確認をセットで行う。
  • 血管は外翻縫合=内膜同士を合わせ、血栓形成を防ぐ。
  • 消化管は内翻縫合=漿膜同士を合わせ、癒合させて内容の漏れを防ぐ。
  • 創の清潔度で方針が決まる。清潔創は一次縫合、汚染・感染創は開放して排膿路を確保する。
比較表
対象選ぶ処置・縫合法理由
犬咬傷(汚染・挫滅創)洗浄・デブリドマン後に開放創、後日閉創密閉すると嫌気環境ができ感染が悪化する
血管外翻縫合内膜同士を合わせ、内腔をなめらかにして血栓を防ぐ
消化管内翻縫合漿膜同士が癒合し、内容の漏れ(縫合不全)を防ぐ
感染創デブリドマン+ドレナージ壊死組織・異物・細菌を除いて創を清浄化する
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