学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §3 リハビリテーション医学の基礎医学 / QJ26P012

理由で解く 柔道整復師

QJ26P012 リハビリテーション医学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問12
問題
関節強直の原因で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1
2 軟骨
3 筋肉
4 皮膚
解答
正解1(骨)、2(軟骨)
解説

関節強直は「関節そのものを作っている組織」が変化して動かなくなった状態、関節拘縮は「関節の外側にある軟部組織」が短縮して動きが制限された状態。原因が関節内か関節外かで切り分けるのがコツで、骨と軟骨は関節内なので強直の原因になる。

強直(ankylosis)は関節内の病変によって起こる。化膿性関節炎、関節リウマチ、関節内骨折、長期の関節固定などで関節軟骨が変性・消失すると、向かい合う骨端が線維組織で連結したり(線維性強直)、骨組織で連続してしまったり(骨性強直)する。骨性強直では他動的にもまったく動かず、保存療法では改善しない。一方の拘縮(contracture)は関節包の外にある皮膚・皮下組織・筋・腱・靱帯・神経などが原因で、皮膚性・結合組織性・筋性・神経性などに分類される。拘縮は他動運動で抵抗を感じながらもある程度動き、早期であれば温熱と持続的伸張、関節可動域訓練によって改善が期待できる。臨床で最初に確かめるのは「他動でまったく動かないのか、抵抗はあるが動くのか」で、ここが両者を分ける手がかりになる。

✓ 1. 正しい
関節軟骨が失われた後に向かい合う骨端どうしが骨性に連続すると骨性強直となる。骨は関節を構成する組織そのものなので、強直の原因に含まれる。
✓ 2. 正しい
軟骨
関節軟骨の変性・破壊が強直の出発点になる。軟骨が失われて関節面がむき出しになることで線維性・骨性の癒合が進む。
✗ 3. 誤り
筋肉
筋は関節包の外にある。筋の短縮や線維化によって生じるのは筋性拘縮であって強直ではない。長期臥床での尖足拘縮などが代表例で、伸張とROM訓練で予防・改善を図る。
✗ 4. 誤り
皮膚
皮膚も関節外の組織。熱傷後の瘢痕や手術瘢痕による可動域制限は皮膚性拘縮に分類される。早期からの伸張と瘢痕の柔軟性維持が対応になる。
ポイント
  • 強直=関節内(骨・軟骨・関節包内)の変化。拘縮=関節外(皮膚・筋・腱・靱帯・神経)の変化。
  • 強直は線維性強直と骨性強直に分かれ、骨性強直は他動的にもまったく動かない。
  • 拘縮は皮膚性・結合組織性・筋性・神経性などに分類され、早期なら改善が見込める。
  • 「他動で動くか」が両者を見分ける第一歩。動かなければ強直を疑う。
  • 予防の要は良肢位保持と早期からの関節可動域訓練。
比較表
関節強直(ankylosis)関節拘縮(contracture)
原因のある場所関節内(骨・関節軟骨・関節包内)関節外の軟部組織(皮膚・筋・腱・靱帯・神経)
分類線維性強直/骨性強直皮膚性・結合組織性・筋性・神経性 など
他動運動制限が高度。骨性ではまったく動かない抵抗はあるが可動する
主な原因疾患化膿性関節炎、関節リウマチ、関節内骨折、長期固定熱傷瘢痕、長期臥床、麻痺、ギプス固定
保存療法の効果期待しにくい(手術が検討される)早期であれば伸張・ROM訓練で改善しうる
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