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理由で解く 柔道整復師

QJ26A120 衛生学・公衆衛生学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問120
問題
水道法に基づく水質基準で検出されてはならないのはどれか。
選択肢
1 ヒ素
2 大腸菌
3 カドミウム
4 総トリハロメタン
解答
正解2(大腸菌)
解説

水道法の水質基準で「検出されないこと」と定められているのは大腸菌である。他の3つはいずれも濃度の上限値が決められている項目。

水道法に基づく水質基準(水質基準に関する省令)は51項目からなり、基準の書き方は大きく2通りに分かれる。健康影響や生活利用上の観点から濃度の上限値を定める項目と、糞便汚染の指標として「検出されないこと」とする大腸菌である。大腸菌はヒトや動物の腸管に常在する菌なので、水から検出されるということはし尿由来の汚染、すなわち病原体が混入している可能性を意味する。だからゼロでなければならない。一方、一般細菌は自然環境中にも広く存在して必ずしも病原性を意味しないため、1mLの検水で形成される集落数が100以下という上限値方式が採られている。ヒ素は0.01mg/L以下、カドミウムは0.003mg/L以下、総トリハロメタンは0.1mg/L以下である。あわせて、給水栓における遊離残留塩素0.1mg/L以上(水道法施行規則)は消毒効果を保つための規定で、こちらは「下限」を定めている点も対比して覚えるとよい。

✓ 2. 正しい
大腸菌
糞便汚染の指標であり、水質基準では「検出されないこと」と定められている。検出された場合は病原体混入の可能性があるため、原因の究明と給水の安全確保(消毒の強化、必要に応じた飲用の制限)が求められる。
✗ 1. 誤り
ヒ素
基準は0.01mg/L以下で、上限値が定められた項目。地質由来などで自然に含まれることがあり、慢性曝露では色素沈着や角化症などを起こす。
✗ 3. 誤り
カドミウム
基準は0.003mg/L以下で、こちらも上限値方式。イタイイタイ病の原因物質で、慢性曝露により腎尿細管障害と骨軟化をきたす。
✗ 4. 誤り
総トリハロメタン
基準は0.1mg/L以下。原水中の有機物と消毒用塩素が反応してできる消毒副生成物である。塩素消毒は水系感染症を防ぐために欠かせないので、消毒をやめるのではなく、原水の有機物を減らす浄水処理や活性炭処理などで生成を抑える方向で管理する。
ポイント
  • 「検出されないこと」と定められているのは大腸菌。糞便汚染=病原体混入の可能性を示す指標だから。
  • 一般細菌は1mLの検水で集落数100以下という上限値方式。ゼロではない点に注意。
  • ヒ素0.01mg/L以下、カドミウム0.003mg/L以下、総トリハロメタン0.1mg/L以下。
  • 総トリハロメタンは塩素消毒の副生成物。消毒の中止ではなく原水の有機物低減で対応する。
  • 給水栓の遊離残留塩素は0.1mg/L以上(水道法施行規則)。こちらは下限を定める規定。
比較表
項目基準の型基準値
大腸菌検出されないこと不検出
一般細菌上限1mLの検水で集落数100以下
ヒ素およびその化合物上限0.01mg/L以下
カドミウムおよびその化合物上限0.003mg/L以下
総トリハロメタン上限0.1mg/L以下
遊離残留塩素(施行規則)下限給水栓で0.1mg/L以上
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