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理由で解く 柔道整復師

QJ26A115 衛生学・公衆衛生学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問115
問題
毒素型食中毒の原因となるのはどれか。
選択肢
1 コレラ菌
2 ノロウイルス
3 黄色ブドウ球菌
4 腸管出血性大腸菌
解答
正解3(黄色ブドウ球菌)
解説

黄色ブドウ球菌は食品の中でエンテロトキシンを産生し、その毒素を摂取することで発症する典型的な毒素型(食品内毒素型)食中毒の原因菌である。

細菌性食中毒は、菌そのものが腸管で増えて発症する感染型と、あらかじめ食品中に作られた毒素を食べて発症する毒素型(食品内毒素型)に大きく分かれる。毒素型は「できあがった毒素を食べる」だけなので、菌の増殖を待つ必要がなく潜伏期が短い(黄色ブドウ球菌でおよそ1〜6時間)。症状は激しい嘔吐が前面に出て、発熱は乏しいのが特徴である。エンテロトキシンは100℃30分の加熱でも失活しない耐熱性毒素なので、調理し直しても一度できた毒素は残る。黄色ブドウ球菌はヒトの鼻腔・皮膚・化膿巣に常在するため、手指に傷や化膿創があるときは調理を控えるか手袋を用い、調理前後の手洗いを徹底し、調理後の食品は速やかに低温保存して菌が増える時間を与えないことが実際的な予防となる。

✓ 3. 正しい
黄色ブドウ球菌
食品中で増殖する過程でエンテロトキシンを産生し、その毒素を摂取して発症する食品内毒素型。潜伏期1〜6時間と短く嘔吐が主症状、毒素は耐熱性で加熱では壊れない。おにぎりや弁当など手指を介して汚染される食品が原因になりやすい。
✗ 1. 誤り
コレラ菌
腸管に定着・増殖してからコレラ毒素を出す生体内毒素型で、感染型に分類される。米のとぎ汁様の水様下痢による脱水が問題となり、輸液による水分・電解質の補給が治療の中心。食品中で毒素ができるタイプではない。
✗ 2. 誤り
ノロウイルス
細菌ではなくウイルスによる食中毒で、少量のウイルスが腸管上皮細胞で増殖して発症する。二枚貝や感染者の手指を介した二次汚染が原因。加熱は中心温度85〜90℃で90秒以上、器具・環境の消毒は次亜塩素酸ナトリウムが有効(アルコールは効きにくい)。
✗ 4. 誤り
腸管出血性大腸菌
腸管内で増殖してベロ毒素(志賀毒素)を産生する生体内毒素型。潜伏期は3〜5日と長く、出血性大腸炎から溶血性尿毒症症候群(HUS)に進むことがある。食肉は中心温度75℃で1分以上の加熱を徹底する。
ポイント
  • 毒素型(食品内毒素型)=食品中にできた毒素を食べる。黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌(嘔吐型)。
  • 毒素型は潜伏期が短く(数時間)、嘔吐が主体で発熱に乏しい。
  • 黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンは耐熱性。加熱しても毒素は残るため、菌を増やさない管理が要。
  • 感染型・生体内毒素型(サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌、コレラ菌)は潜伏期が長く発熱を伴いやすい。
  • 予防の基本は「つけない・増やさない・やっつける」。手指の傷がある人は手袋を使い、調理後は速やかに冷却する。
比較表
分類発症の仕組み代表潜伏期加熱の効果
食品内毒素型(毒素型)食品中で作られた毒素を摂取黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌(嘔吐型)短い(1〜6時間程度)菌は死ぬが毒素は残ることがある
生体内毒素型腸管内で増殖し毒素を産生腸管出血性大腸菌、コレラ菌、ウェルシュ菌やや長い(半日〜数日)加熱で予防できる
感染型腸管で菌が増殖し組織を侵すサルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター長い(半日〜数日)加熱で予防できる
ウイルス性腸管上皮でウイルスが増殖ノロウイルス1〜2日85〜90℃で90秒以上
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