学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §3 病因 / QJ26A097
理由で解く 柔道整復師
ハンセン病の病原体はらい菌(Mycobacterium leprae)で、結核菌と同じ抗酸菌=細菌であり、ウイルスではない。したがって組合せとして誤っているのは1である。
生物学的外因は、病原体を大きさと構造で階層的に並べて整理すると取りこぼしがない。大きい順に、寄生虫・原虫・真菌 > 細菌 > スピロヘータ・リケッチア・クラミジア > ウイルス、となる。ここで落とし穴になるのが、スピロヘータ・リケッチア・クラミジアはいずれも細菌の仲間だという点である。スピロヘータはらせん状に長く伸びた細菌、リケッチアとクラミジアは細胞内でしか増殖できない小型の細菌で、ウイルスと混同されやすい。ウイルスは細胞構造を持たず、核酸と蛋白の殻だけからなり、宿主細胞の合成装置を借りて増える点で他と決定的に異なる。らい菌は末梢神経と皮膚を好んで侵し、宿主の細胞性免疫が強ければ神経症状主体の類結核型(TT型)、弱ければ皮膚に菌が充満するらい腫型(LL型)となる。増殖が非常に遅く、潜伏期は数年に及ぶ。なおらい菌は人工培地では培養できず、アルマジロやマウス足蹠への接種でしか増やせない。同じ抗酸菌でも梅毒トレポネーマとともに培養困難な例外であり、「人工培地で増えるかどうか」は細菌とウイルスを見分ける物差しにはならない点に注意したい。
| 病原体の種類 | 特徴 | 代表疾患 |
|---|---|---|
| 細菌 | 細胞構造をもち、多くは人工培地で増える(らい菌・梅毒トレポネーマは例外で培養できない) | 結核、ハンセン病、破傷風、コレラ |
| スピロヘータ | らせん状の細長い細菌(梅毒トレポネーマは培養不能) | 梅毒、ワイル病(レプトスピラ)、回帰熱 |
| リケッチア | 細胞内でのみ増殖/節足動物が媒介 | ツツガムシ病、発疹チフス、日本紅斑熱 |
| クラミジア | 細胞内でのみ増殖/独自の増殖環 | トラコーマ、性器クラミジア感染症、オウム病 |
| 真菌 | 核膜をもつ真核生物 | カンジダ症、白癬、アスペルギルス症 |
| ウイルス | 細胞構造なし。宿主細胞内でのみ増殖 | 麻疹、風疹、インフルエンザ、ウイルス性肝炎 |
※「人工培地で増えるか」は細菌とウイルスを見分ける基準にはならない。細菌でも、らい菌・梅毒トレポネーマ(培養不能)、リケッチア・クラミジア(偏性細胞内寄生)のように培地で増えないものがある。分類の決め手は細胞構造をもつか(細菌)/もたないか(ウイルス)である。
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