学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ26A092

理由で解く 柔道整復師

QJ26A092 運動学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問92
問題
前腕回内位で肘関節を屈曲させる主動筋はどれか。
選択肢
1 上腕二頭筋
2 腕橈骨筋
3 円回内筋
4 上腕筋
解答
正解4(上腕筋)
解説

上腕筋は尺骨に停止するため、前腕の回内・回外に影響されない純粋な肘屈筋です。回内位で肘を屈曲させる主動筋は上腕筋で、正答は4です。

肘関節の屈筋は上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋の3つです。上腕二頭筋は橈骨粗面に停止するため回外位で最も強く働きますが、回内位では腱が橈骨に巻きつく形になって屈曲効率が落ち、しかも回外作用をもつため回内位を保ったままでは主役になりにくいという特徴があります。腕橈骨筋は前腕中間位(半回内位)で最も有効に働き、素早い動きや重い負荷のときに動員されます。これに対し上腕筋は上腕骨前面から起こって尺骨粗面・鈎状突起に停止し、尺骨は回旋しないため、どの肢位でも一定した屈曲力を発揮します。設問で「回内位」と肢位が指定された時点で、停止部が尺骨である上腕筋に絞り込むのが解き方の筋道です。

✓ 4. 正しい
上腕筋
尺骨粗面・鈎状突起に停止するため、前腕の回旋の影響を受けません。回内位でも屈曲力が保たれるので、この条件下の主動筋になります(筋皮神経支配)。
✗ 1. 誤り
上腕二頭筋
停止が橈骨粗面のため、屈曲力が最大になるのは回外位です。回内位では作用効率が落ち、主動筋とは言えません。
✗ 2. 誤り
腕橈骨筋
前腕中間位(半回内位)での屈曲や、素早い・重い屈曲で強く働く筋です。回内位に限定した主動筋には当たりません。
✗ 3. 誤り
円回内筋
主作用は前腕の回内で、肘屈曲への関与は補助的です。回内位を作る筋であって、屈曲の主動筋ではありません。
ポイント
  • 上腕筋=尺骨粗面に停止。前腕の回内・回外に左右されない「純粋な肘屈筋」(筋皮神経)。
  • 上腕二頭筋=橈骨粗面に停止。回外位で屈曲力が最大、回外作用もあわせもつ(筋皮神経)。
  • 腕橈骨筋=橈骨茎状突起に停止。中間位で最も有効。屈筋だが橈骨神経支配という例外。
  • 肢位が指定されたら停止部を思い出す。橈骨停止=回旋の影響を受ける、尺骨停止=受けない。
  • 円回内筋は回内が主作用(正中神経)で、肘屈曲は補助にとどまる。
比較表
停止屈曲力が最大となる前腕肢位支配神経
上腕筋尺骨粗面・鈎状突起肢位の影響を受けない(回内位でも主動)筋皮神経
上腕二頭筋橈骨粗面回外位筋皮神経
腕橈骨筋橈骨茎状突起中間位(半回内位)橈骨神経
円回内筋橈骨外側面回内が主作用(屈曲は補助)正中神経
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