学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ26A093
理由で解く 柔道整復師
大腿骨頭靱帯(円靱帯)は、関節を力学的に締めつけて骨頭を固定する靱帯ではなく、力学的な固定ではなく骨頭へ向かう血管を通す構造として理解するものなので、選択肢2が正しい。
股関節は深い寛骨臼と関節唇に骨頭が深くはまり込む臼状関節(球関節の一種)で、安定性は骨性の適合と、外側を包む関節包および3本の関節包靱帯(腸骨大腿靱帯・恥骨大腿靱帯・坐骨大腿靱帯)が担っている。大腿骨頭靱帯は寛骨臼切痕から大腿骨頭窩へ関節腔内を走る滑膜に包まれた索状構造で、屈曲・内転・外旋位でわずかに緊張する程度にとどまり、骨頭の固定への寄与はほとんどないとされる。その代わり、閉鎖動脈の寛骨臼枝から分かれる大腿骨頭靱帯動脈(骨頭枝)を関節腔内へ導いている。ただし、この血管が骨頭に供給する範囲は成人でも骨頭の一部にとどまり、幼小児期(おおむね4歳以下)にはほとんど寄与しない。小児では骨端板(骨端線)が血行の障壁となるため、骨頭は内側大腿回旋動脈から分かれる上支帯動脈(外側骨端動脈)にほぼ全面的に依存しており、まさにそれゆえにPerthes病や小児大腿骨頸部骨折後に大腿骨頭壊死を起こしやすい。「靱帯=必ず関節の固定」と決めつけず、走行と実際の役割から判断したい設問である。
| 作用 | 主な筋 | 神経支配 | 関連する所見・覚え方 |
|---|---|---|---|
| 外転 | 中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋 | 上殿神経(3筋とも) | 中殿筋麻痺 → 患側で片脚立位をとると健側(遊脚側)の骨盤が下がる(Trendelenburg徴候)。腸骨の外側面から大転子へ向かう筋が外転筋。大殿筋上部線維も外転を補助するが、大殿筋の支配は下殿神経であり上殿神経ではない |
| 内転 | 大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、薄筋 | 閉鎖神経(ただし恥骨筋は大腿神経支配。大内転筋のハムストリング部=坐骨結節起始部は脛骨神経) | 恥骨・坐骨から大腿骨内側へ向かう筋が内転筋。恥骨筋は最上位にあり屈曲にも働く。「内転筋群のなかで恥骨筋だけ大腿神経」と例外として覚える |
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