学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ26A087
理由で解く 柔道整復師
指の完全伸展(MP・PIP・DIPすべての伸展)は、外在筋の指伸筋だけでは完成しません。内在筋である虫様筋が指背腱膜を張ることで最後まで伸びます。正答は3です。
指伸筋の腱は手指背側で指背腱膜(伸展機構)に広がり、MP関節を伸ばす主役になります。しかしPIP・DIP関節を最後まで伸ばすには、指背腱膜の側方から加わる内在筋の張力が必要です。ここで決定的なのが起始の違いです。虫様筋は深指屈筋腱から起こって指背腱膜に停止するという特異な走行をもち、収縮すると指背腱膜を引くと同時に、起始である深指屈筋腱そのものを遠位へ引いて屈曲方向の抵抗を減らします。骨間筋は中手骨(骨)から起こるため、指背腱膜を引くことはできても屈筋腱を弛める働きはありません。MPからDIPまでを最後まで伸ばしきる作用が虫様筋に固有とされるのは、この二重の働きによります。尺骨神経麻痺で環指・小指の内在筋が働かなくなると、MP過伸展・IP屈曲の鷲手になるのは、この仕組みが失われた裏返しの姿です。また、伸展に関与する筋は「弛緩」ではなく「緊張(収縮)」するはずなので、弛緩と書かれた肢は方向が逆だと判断できます。
| 筋 | 区分 | 起始 | 主作用 | PIP・DIP伸展への関与 | 支配神経 |
|---|---|---|---|---|---|
| 指伸筋 | 外在筋 | 上腕骨外側上顆 | MP関節の伸展 | 単独では不十分 | 橈骨神経 |
| 虫様筋 | 内在筋 | 深指屈筋腱(腱が起始) | MP屈曲+IP伸展 | 主役として担う(屈筋腱を遠位へ引いて屈曲抵抗も減らす) | 第1・2=正中神経/第3・4=尺骨神経 |
| 背側骨間筋 | 内在筋 | 中手骨(骨) | 指の外転(DAB) | 補助にとどまる(屈筋腱を弛める作用はない) | 尺骨神経 |
| 掌側骨間筋 | 内在筋 | 中手骨(骨) | 指の内転(PAD) | 補助にとどまる(屈筋腱を弛める作用はない) | 尺骨神経 |
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