学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ25A091

理由で解く 柔道整復師

QJ25A091 運動学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問91
問題
膝関節を伸展するのはどれか。
選択肢
1 半腱様筋
2 半膜様筋
3 大腿筋膜張筋
4 大腿二頭筋
解答
正解3(大腿筋膜張筋)
解説

半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋はいずれもハムストリングスで膝を屈曲させます。この4つのなかで膝伸展に働くのは大腿筋膜張筋で、正答は3です。

選択肢1・2・4は大腿後面のハムストリングスで、坐骨結節から起こって下腿に停止し、股関節伸展と膝関節屈曲という2つの作用をもちます。一方、大腿筋膜張筋は上前腸骨棘付近から起こり、腸脛靱帯を介して脛骨外側のGerdy結節に停止します。ここがポイントで、膝がほぼ伸びた肢位では腸脛靱帯は膝の運動軸より前方を通るため、大腿筋膜張筋の収縮は膝を伸展方向へ引きます(膝が深く屈曲すると腸脛靱帯は軸の後方へ移り、逆に屈曲を助ける側に回ります)。股関節では屈曲・外転・内旋に働き、立位では骨盤を側方から安定させる役割も担います。膝の主要な伸展筋はあくまで大腿四頭筋ですが、本問の4つの選択肢のなかで伸展に働くのは大腿筋膜張筋だけです。筋の作用は暗記に頼らず、「起始・停止を結ぶ線が関節軸のどちら側を通るか」で判断する習慣をつけると、こうした応用問題に強くなります。

✗ 1. 該当しない
半腱様筋
内側ハムストリングスです。坐骨結節から起こり脛骨粗面内側(鵞足)に停止し、股関節伸展と膝関節屈曲に働きます。膝屈曲位では下腿を内旋させます。
✗ 2. 該当しない
半膜様筋
同じく内側ハムストリングスです。坐骨結節から起こり脛骨内側顆の後面に停止し、作用は半腱様筋とほぼ同じ(股関節伸展・膝関節屈曲、膝屈曲位で下腿内旋)です。
✓ 3. 正しい
大腿筋膜張筋
上前腸骨棘付近から起こり、腸脛靱帯を介して脛骨外側のGerdy結節に停止します。膝伸展位付近では腸脛靱帯が膝の運動軸の前方を通るため、収縮すると膝を伸展方向に引きます。股関節では屈曲・外転・内旋に働き、立位時の骨盤の側方安定にも関与します。
✗ 4. 該当しない
大腿二頭筋
外側ハムストリングスです。長頭は坐骨結節から、短頭は大腿骨粗線から起こり、ともに腓骨頭に停止して膝関節を屈曲させます。膝屈曲位では下腿を外旋させ、長頭は股関節伸展にも働きます。
ポイント
  • ハムストリングス(半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋)=股関節伸展+膝関節屈曲。
  • 大腿筋膜張筋は腸脛靱帯を介してGerdy結節に停止し、膝伸展位付近では膝伸展を補助する。
  • 膝が深く屈曲すると腸脛靱帯は膝軸の後方へ移り、大腿筋膜張筋の作用は屈曲側へ変わる。
  • 膝関節の主要な伸展筋は大腿四頭筋で、大腿筋膜張筋は補助的な役割にとどまる。
  • 筋の作用は「起始・停止を結ぶ線が関節軸のどちら側を通るか」で判断する。
比較表
停止膝関節での作用股関節での作用
半腱様筋脛骨粗面内側(鵞足)屈曲・(屈曲位で)下腿内旋伸展
半膜様筋脛骨内側顆後面屈曲・(屈曲位で)下腿内旋伸展
大腿二頭筋腓骨頭屈曲・(屈曲位で)下腿外旋伸展(長頭のみ)
大腿筋膜張筋腸脛靱帯→Gerdy結節伸展(伸展位付近)屈曲・外転・内旋
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