学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ26A090

理由で解く 柔道整復師

QJ26A090 運動学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問90
問題
顎関節で誤っているのはどれか。
選択肢
1 楕円関節である。
2 頭蓋で唯一の動関節である。
3 蝶番運動を行う。
4 水平運動は筋突起で起こる。
解答
正解4(水平運動は筋突起で起こる。)
解説

顎関節は関節円板をもつ楕円(顆状)関節で、頭蓋骨で唯一の可動関節です。蝶番運動も滑走運動も水平運動もすべて下顎頭で起こり、筋突起は関節をつくりません。誤っているのは4です。

顎関節は下顎骨の下顎頭と側頭骨の下顎窩・関節結節でつくられ、その間に関節円板が挟まって関節腔を上下2室に分けています。下関節腔(下顎頭と円板の間)では回転すなわち蝶番運動が起こって開口が始まり、上関節腔(円板と関節結節の間)では円板ごと前方へ動く滑走運動が起こって大きな開口が完成します。左右の下顎頭の動きの差からつくられるのが側方(水平)運動で、食物をすりつぶす咀嚼を担います。一方、下顎骨の筋突起は側頭筋が停止する骨の突起で、関節面をもちません。下顎骨の突起は「関節突起(下顎頭)=関節をつくる側」「筋突起=筋がつく側」と名前どおりに整理すると確実です。

✓ 4. これが誤り(=答え)
水平運動は筋突起で起こる。
側方(水平)運動は、左右の下顎頭が関節窩内で動くことによって生じます。筋突起は側頭筋の停止部であって関節を構成しないため、この記述が誤りであり、設問の答えになります。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
楕円関節である。
下顎頭は楕円形をしており、顎関節は楕円関節(顆状関節)に分類されます。正しい記述なので、誤りを問う本問の答えにはなりません。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
頭蓋で唯一の動関節である。
頭蓋の骨どうしの結合は縫合や軟骨結合が中心で、自由に動く関節は顎関節だけです。正しい記述なので答えにはなりません。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
蝶番運動を行う。
開口の初期は下関節腔で下顎頭が回転する蝶番運動で、続いて上関節腔での滑走運動が加わります。正しい記述なので答えにはなりません。
ポイント
  • 顎関節=下顎頭+下顎窩・関節結節。関節円板が介在する複関節で、形態は楕円(顆状)関節。
  • 関節円板が腔を2つに分ける:下関節腔=蝶番(回転)運動、上関節腔=滑走運動。
  • 開口は「まず回転、次に滑走」の2段構え。大きく開くには滑走が不可欠。
  • 側方(水平)運動は左右の下顎頭の動きで生じ、食物をすりつぶす咀嚼を担う。
  • 下顎骨の突起は名前で整理:関節突起(下顎頭)=関節をつくる、筋突起=側頭筋が停止する。
比較表
運動・部位起こる場所役割
蝶番運動(回転)下関節腔(下顎頭と関節円板の間)開口の初期
滑走運動上関節腔(関節円板と関節結節の間)大きな開口・下顎の前方移動
水平(側方)運動左右の下顎頭食物をすりつぶす咀嚼
筋突起関節を構成しない側頭筋の停止部
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