学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §10 生殖 / QJ26A085

理由で解く 柔道整復師

QJ26A085 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問85
問題
性周期とホルモン分泌の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 卵胞期-エストロゲン分泌
2 排卵期-黄体形成ホルモン分泌
3 黄体期-プロゲステロン分泌
4 月経期-ヒト絨毛性ゴナドトロピン分泌
解答
正解4(月経期-ヒト絨毛性ゴナドトロピン分泌)
解説

性周期のホルモンは、卵胞期=エストロゲン、排卵期=黄体形成ホルモン(LH)サージ、黄体期=プロゲステロン、という並びで押さえます。ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は性周期のホルモンではなく、受精卵が着床した後に胎盤側から分泌されるものなので、月経期との組合せは成り立ちません。

卵胞期は下垂体前葉からのFSHで卵胞が発育し、顆粒膜細胞から分泌されるエストロゲンが増えて子宮内膜が厚くなります(増殖期)。エストロゲンが一定水準を超えて持続すると正のフィードバックが働いてLHサージが起こり、排卵に至ります。排卵後の卵胞は黄体に変わり、主にプロゲステロンを分泌して内膜を分泌期に変え、基礎体温を上げます。妊娠が成立しなければ黄体は退縮して白体となり、プロゲステロンとエストロゲンが急に低下して内膜がはがれ、月経となります。着床が起こった場合には栄養膜(合胞体栄養細胞)からhCGが分泌され、黄体を妊娠黄体として維持するため月経は起こりません。つまり「hCGが出ている=月経は来ない」という関係にあり、月経期とhCGは同時に成り立たないと理解できます。

✓ 4. これが誤っている組合せ(=設問の答え)
月経期-ヒト絨毛性ゴナドトロピン分泌
hCGは着床後に栄養膜から分泌され、LHと似た作用で黄体を維持してプロゲステロン分泌を続けさせるホルモンです。月経期は妊娠が成立せず黄体が退縮した時期なので、hCGは分泌されていません。妊娠検査薬が尿中のhCGを調べているのは、正常な性周期では分泌されず、着床が成立して初めて現れるという性質を利用したものです(絨毛性疾患などでも上昇しますが、いずれにせよ性周期のホルモンではありません)。この点が、月経期と結びつかないことの裏づけにもなります。
✗ 1. 正しい組合せ(設問の答えではない)
卵胞期-エストロゲン分泌
卵胞期はFSHの作用で卵胞が育ち、顆粒膜細胞からのエストロゲン(主にエストラジオール)が増えていく時期です。このエストロゲンが子宮内膜を厚くして増殖期をつくるため、組合せとして正しく、答えにはなりません。
✗ 2. 正しい組合せ(設問の答えではない)
排卵期-黄体形成ホルモン分泌
高濃度のエストロゲンが持続すると視床下部・下垂体への正のフィードバックが働き、LHが急激に増えるLHサージが起こって排卵が誘発されます。排卵期を代表するホルモンがLHであることは確かなので、この組合せも正しく、答えにはなりません。
✗ 3. 正しい組合せ(設問の答えではない)
黄体期-プロゲステロン分泌
排卵後の卵胞が変化した黄体からは、プロゲステロンがエストロゲンとともに分泌されます。プロゲステロンは子宮内膜を分泌期に変えて着床の準備を整え、体温中枢に働いて基礎体温を上げます。黄体期の主役として正しい組合せなので、これも答えにはなりません。
ポイント
  • 卵胞期=エストロゲン。子宮内膜は増殖期になり、厚みを増す。
  • 排卵期=LHサージ。エストロゲンの正のフィードバックで誘発され、排卵が起こる。
  • 黄体期=プロゲステロン。内膜は分泌期となり、基礎体温が上昇する。
  • 月経期=黄体退縮によりエストロゲン・プロゲステロンが低下し、内膜がはがれる。
  • hCGは着床後に栄養膜から分泌され黄体を維持する妊娠のホルモンで、性周期のホルモンではない。
  • 「誤っているのはどれか」型は、正しい組合せを確実に3つ消して残りを選ぶ手順が安全。
比較表
時期主なホルモン起こること
月経期エストロゲン・プロゲステロンとも低値黄体が退縮し、子宮内膜が剥離する
卵胞期FSH、エストロゲン卵胞が発育し、内膜が厚くなる(増殖期)
排卵期LH(サージ)排卵が起こる
黄体期プロゲステロン(+エストロゲン)内膜が分泌期となり、基礎体温が上がる
着床が成立した場合hCG黄体が妊娠黄体として維持され、月経は起こらない
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