学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §14 感覚の生理 / QJ26A083

理由で解く 柔道整復師

QJ26A083 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問83
問題
ゴルジ腱紡錘(腱器官)で正しいのはどれか。
選択肢
1 錘外筋線維の間に並列に位置する。
2 Ia群感覚線維が終末する。
3 筋にかかる張力を感知する。
4 応答によって伸張反射を誘発する。
解答
正解3(筋にかかる張力を感知する。)
解説

ゴルジ腱紡錘(腱器官)は筋と腱の移行部にあり、筋線維と直列に並んで筋にかかる張力を感知する受容器である。求心性線維はIb群で、脊髄でIb抑制(自原抑制)を起こす。

深部感覚の受容器である筋紡錘と腱器官は、役割分担がはっきりしている。筋紡錘は錘外筋線維と並列に並び、筋の長さ(伸ばされ具合)とその変化の速さを感知する。このうち筋の長さと伸張の速度は一次終末から出るIa群線維が、主に長さの静的な情報は二次終末から出るII群線維が伝える。そしてIa群線維がα運動ニューロンに単シナプス性に結合して伸張反射(腱反射)を起こすのであり、II群線維は主に介在ニューロンを介した多シナプス性の経路で働く。一方、腱器官は筋線維と直列につながっているため、筋が自ら収縮しても外から引っ張られても、腱にかかる張力に応じて発火する。その情報はIb群線維で脊髄に入り、抑制性介在ニューロンを介して同名筋のα運動ニューロンを抑制し、拮抗筋を促通する。結果として過大な張力から筋・腱を守るとともに、発揮する筋張力を適切な範囲に保つフィードバックが働く。

✓ 3. 正しい
筋にかかる張力を感知する。
直列に配置されているため、筋に生じた張力がそのまま受容器に伝わる。受動的な伸張でも収縮でも張力が高まれば発火し、とくに筋が能動的に収縮したときに鋭敏に反応する。「直列=張力計」と一言で結び付けておくとよい。
✗ 1. 誤り
錘外筋線維の間に並列に位置する。
これは筋紡錘の配置である。腱器官は筋腱移行部にあり、筋線維と直列に並ぶ。並列だと筋が収縮して短くなったときに受容器が緩んでしまうが、直列なら張力を取り逃さない、と構造と機能を結び付けて理解する。
✗ 2. 誤り
Ia群感覚線維が終末する。
Ia群線維は筋紡錘の一次終末から出る線維である。腱器官から出るのはIb群線維。「筋紡錘の一次終末=Ia、腱器官=Ib、筋紡錘の二次終末=II群」と番号順に並べて整理すると混同しにくい。
✗ 4. 誤り
応答によって伸張反射を誘発する。
伸張反射は筋紡錘 → Ia群線維 → α運動ニューロンの単シナプス反射であり、筋を収縮させる向きに働く。腱器官の応答はIb抑制(自原抑制)で、同名筋の収縮を抑える向きに働き、伸張反射とは反対の作用である。
ポイント
  • 腱器官:筋腱移行部にあり筋線維と直列張力を感知、Ib群線維、Ib抑制(自原抑制)で同名筋を抑制し拮抗筋を促通する。
  • 筋紡錘:筋腹にあり錘外筋線維と並列。長さと伸張速度をIa群(一次終末)が、主に長さの静的な情報をII群(二次終末)が伝える。
  • 伸張反射(腱反射)=Ia群線維がα運動ニューロンに単シナプス性に結合して起こる単シナプス反射。II群は介在ニューロンを介した多シナプス性の経路で働く。「II群も単シナプス」と取り違えないこと。
  • 直列=張力計、並列=長さ計」と一言で結び付ける。膝蓋腱反射は筋紡錘の働きによるもの。
  • 筋紡錘の錘内筋線維はγ運動ニューロンの支配を受け、筋が短縮しても感度が保たれる(α−γ連関)。
  • 腱器官は筋・腱を過大な張力から守り、発揮張力を一定に保つフィードバックを担う。持続的なストレッチで力が抜けていく感覚もこの抑制で説明される。
比較表
項目筋紡錘ゴルジ腱紡錘(腱器官)
位置筋腹(錘外筋線維の間)筋と腱の移行部
配列錘外筋線維と並列筋線維と直列
感知するもの筋の長さと伸張の速度筋にかかる張力
求心性線維Ia群(一次終末:長さ+伸張速度)/II群(二次終末:主に長さ)Ib群
脊髄での結合Ia群はα運動ニューロンに単シナプス性/II群は主に介在ニューロンを介する多シナプス性抑制性介在ニューロンを介する(多シナプス性)
遠心性支配γ運動ニューロン(錘内筋線維)なし
反射の向き伸張反射(Ia群による単シナプス反射/同名筋を収縮させる)Ib抑制・自原抑制(同名筋を弛緩させる)
意義筋の長さの保持、姿勢の調節過大な張力からの保護、張力の一定保持
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