学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §13 筋肉の機能 / QJ26A082

理由で解く 柔道整復師

QJ26A082 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問82
問題
骨格筋の長さと張力の関係で正しいのはどれか。
選択肢
1 静止長より短くすると静止張力が増加する。
2 静止長より長くすると静止張力が増加する。
3 静止長より短くすると活動張力が増加する。
4 静止長より長くすると活動張力が増加する。
解答
正解2(静止長より長くすると静止張力が増加する。)
解説

静止張力は筋を静止長より引き伸ばしたときにだけ現れる受動的な張力で、伸ばすほど大きくなります。一方、収縮で生まれる活動張力は静止長(至適長)で最大となり、長くしても短くしても減っていきます。

静止張力を生むのはタイチン(コネクチン)などの弾性タンパクや筋膜・腱といった結合組織で、引き伸ばされた分だけゴムのように抵抗します。逆に静止長より短くすればこれらはたるむので、静止張力はほぼゼロのままです。活動張力はアクチンとミオシンが重なってクロスブリッジを作れる数で決まり、重なり具合がちょうどよい静止長で最大になります。伸ばしすぎると重なりが減って力が落ち、縮めすぎるとアクチン同士が干渉したりミオシンがZ帯に突き当たったりして、やはり力が落ちます。実際に測定される全張力は「静止張力+活動張力」なので、大きく伸ばした領域では全張力が再び上がって見える点に注意しましょう。

✓ 2. 正しい
静止長より長くすると静止張力が増加する。
静止長を超えて引き伸ばすと、タイチンや結合組織といった弾性要素が伸ばされ、その反発として受動的な張力が生じます。刺激しなくても現れる張力なので静止張力(受動張力)と呼ばれ、伸ばすほど急に大きくなっていきます。輪ゴムを引くほど手ごたえが増す様子を思い浮かべると納得しやすい関係です。
✗ 1. 誤り
静止長より短くすると静止張力が増加する。
短くすると弾性要素はたるむため、静止張力は減ってほぼゼロになります。増えるのは伸ばした側で、向きが逆です。静止張力は「伸ばされたときにだけ立ち上がる」性質と押さえておくと、短縮側との区別で迷いません。
✗ 3. 誤り
静止長より短くすると活動張力が増加する。
短縮側ではアクチンフィラメント同士が中央で行き違って干渉し、さらに縮めるとミオシンがZ帯に突き当たるため、有効なクロスブリッジが減って活動張力は低下します。活動張力が最大になるのは静止長(至適長)で、そこを頂点に両側へ下がる山型の曲線を描きます。
✗ 4. 誤り
静止長より長くすると活動張力が増加する。
伸ばすとアクチンとミオシンの重なりが減り、力を出せるクロスブリッジの数が減るため活動張力は低下します。ここで混同しやすいのが、伸ばした領域では静止張力が増えるので全張力(静止+活動)は上向きに転じる点です。グラフを読むときは、静止張力・活動張力・全張力の3本を必ず区別して追いましょう。
ポイント
  • 静止張力=刺激しなくても現れる受動的な張力。担い手はタイチンや筋膜・腱などの弾性要素。
  • 活動張力=収縮で発生する力。静止長(至適長)で最大の山型になる。
  • 全張力=静止張力+活動張力。伸ばした領域では全張力が再び増える。
  • 短くする→静止張力はほぼゼロ、活動張力も低下(フィラメントの干渉)。
  • 長くする→静止張力は増加、活動張力は低下(重なりの減少)。
比較表
筋の長さ静止張力活動張力理由
静止長より短いほぼ0低下弾性要素がたるむ/アクチン同士の干渉、ミオシンがZ帯に当たる
静止長(至適長)ほぼ0最大アクチンとミオシンの重なりが最適でクロスブリッジ数が最多
静止長より長い増加低下弾性要素が伸ばされる/フィラメントの重なりが減る
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