学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ26A080

理由で解く 柔道整復師

QJ26A080 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問80
問題
筋紡錘を受容器とする反射はどれか。
選択肢
1 頸反射
2 前庭-眼反射
3 角膜反射
4 屈曲反射
解答
正解1(頸反射)
解説

筋紡錘を受容器とするのは頸反射(緊張性頸反射)である。頸部の深部筋にある筋紡錘が頭と体幹の位置関係を感知し、四肢の筋緊張を変化させる。

筋紡錘は骨格筋の中に紡錘状に埋め込まれた固有受容器で、錘内筋線維に感覚終末が巻きついた構造をもつ。筋が引き伸ばされると一次終末(Ia群線維)が長さと伸張の速さを、二次終末(II群線維)が長さを中枢に伝える。この情報が脊髄でα運動ニューロンを単シナプス性に興奮させるのが伸張反射(腱反射)で、姿勢の保持に働く。γ運動ニューロンが錘内線維を収縮させて感度を調節するため、筋が縮んでいるときでも受容器として機能できる(α-γ連関)。頸反射は、頭部を回旋・前後屈させたときに頸部の筋紡錘が伸張され、その情報が脳幹・脊髄を介して四肢の筋緊張を変える反射である。顔が向いた側の上下肢が伸展し反対側が屈曲する非対称性緊張性頸反射などが知られ、新生児期にみられて発達とともに消失する。他の選択肢はいずれも受容器が筋紡錘ではないので、「何が刺激を受け取るか」を反射ごとに整理しておくことが解答の決め手になる。

✓ 1. 正しい
頸反射
受容器は頸部深部筋の筋紡錘である。頭部の位置や動きに伴う頸筋の伸張を感知し、四肢の筋緊張を調節して姿勢を保つ。
✗ 2. 誤り
前庭-眼反射
受容器は内耳の前庭器官(半規管の膨大部稜、耳石器の平衡斑)である。頭部が動いた方向と逆に眼球を動かして視線を安定させる反射で、筋紡錘は関与しない。
✗ 3. 誤り
角膜反射
受容器は角膜の自由神経終末である。求心路は三叉神経(眼神経)、遠心路は顔面神経で、両側の眼輪筋が収縮して閉瞼する橋レベルの脳幹反射である。
✗ 4. 誤り
屈曲反射
受容器は皮膚の侵害受容器(自由神経終末)である。痛み刺激から逃れるために多シナプス性に同側の屈筋が収縮する逃避反射で、筋紡錘を受容器とする伸張反射とは経路が異なる。
ポイント
  • 筋紡錘は筋の伸張(長さと速さ)を感知する固有受容器。求心路はIa群線維(一次終末)とII群線維(二次終末)。
  • 筋紡錘を受容器とする代表は伸張反射(腱反射)と緊張性頸反射。頸反射は頸部深部筋の筋紡錘が受容器。
  • γ運動ニューロンが錘内線維の張力を調節し、筋の長さが変わっても感度を保つ(α-γ連関)。
  • ゴルジ腱器官は腱にあり張力を感知する。Ib群線維を介して同じ筋を抑制する(自原抑制)。筋紡錘と役割を対で覚える。
  • 前庭-眼反射=前庭器官、角膜反射=角膜の自由神経終末、屈曲反射=皮膚の侵害受容器。受容器で切り分ける。
比較表
反射受容器求心路・中枢効果
頸反射(緊張性頸反射)頸部深部筋の筋紡錘頸髄・脳幹頭位に応じて四肢の筋緊張を変える
伸張反射(腱反射)筋紡錘Ia群線維・脊髄(単シナプス)伸ばされた筋が収縮する
前庭-眼反射前庭器官(半規管・耳石器)内耳神経・脳幹頭部の動きと逆に眼球を動かし視線を保つ
角膜反射角膜の自由神経終末三叉神経→顔面神経・橋両側の閉瞼
屈曲反射皮膚の侵害受容器脊髄(多シナプス)同側の屈筋が収縮して逃避する
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