学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ26A079

理由で解く 柔道整復師

QJ26A079 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問79
問題
大脳皮質連合野と損傷症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 前頭連合野-相貌失認
2 頭頂連合野身体失認
3 側頭連合野-協調運動障害
4 後頭連合野意欲低下
解答
正解2(頭頂連合野身体失認)
解説

正しい組合せは「頭頂連合野-身体失認」である。頭頂連合野は体性感覚の情報を統合して身体像や空間の認識をつくるため、損傷すると自分の身体を正しく認識できなくなる。

大脳皮質のうち、一次運動野・一次感覚野以外の広い領域を連合野といい、部位ごとに担当する高次機能が異なる。前頭連合野(前頭前野)は意欲・計画・判断・作業記憶・社会的行動を担い、損傷すると意欲低下(アパシー)、脱抑制、人格変化、遂行機能障害が現れる。頭頂連合野は体性感覚・視覚・前庭覚の情報を統合し、身体像と外部空間の関係をつくる場で、損傷により身体失認、半側空間無視(とくに右半球損傷で左空間を無視する)、着衣失行、左角回の障害ではゲルストマン症候群(失書・失算・手指失認・左右失認)がみられる。側頭連合野は顔や物の認知、記憶、聴覚性の認知を担い、相貌失認や物体失認、感覚性失語(ウェルニッケ失語)が起こる。後頭連合野は視覚情報の統合を担い、視覚失認や色彩失認が生じる。なお協調運動障害(運動失調)は大脳皮質ではなく小脳の障害で起こる症状である。

✗ 1. 誤り
前頭連合野-相貌失認
相貌失認は側頭葉から後頭葉への移行部(紡錘状回)の障害で起こる。前頭連合野の損傷で目立つのは意欲低下、脱抑制、遂行機能障害である。
✓ 2. 正しい
頭頂連合野身体失認
頭頂連合野は体性感覚情報を統合して身体像をつくる領域で、損傷すると自分の半身を認識できない身体失認や半側空間無視が生じる。組合せとして正しい。
✗ 3. 誤り
側頭連合野-協調運動障害
協調運動障害(運動失調)は小脳の障害による症状である。側頭連合野の損傷で生じるのは相貌失認、物体失認、感覚性失語、記憶障害などである。
✗ 4. 誤り
後頭連合野意欲低下
意欲低下は前頭連合野の損傷症状である。後頭連合野は視覚情報の統合を担い、損傷すると視覚失認や色彩失認が生じる。
ポイント
  • 前頭連合野=意欲・計画・判断。損傷で意欲低下、脱抑制、人格変化、遂行機能障害。
  • 頭頂連合野=体性感覚の統合・身体像・空間認知。損傷で身体失認、半側空間無視、着衣失行、ゲルストマン症候群。
  • 側頭連合野=顔や物の認知、記憶、聴覚性認知。損傷で相貌失認、物体失認、感覚性失語。
  • 後頭連合野=視覚情報の統合。損傷で視覚失認、色彩失認。
  • 協調運動障害(運動失調)は小脳の症状。大脳の連合野の症状と混ぜないこと。
比較表
部位主な機能代表的な損傷症状
前頭連合野意欲・計画・判断・作業記憶意欲低下、脱抑制、人格変化、遂行機能障害
頭頂連合野体性感覚の統合、身体像、空間認知身体失認、半側空間無視、着衣失行、ゲルストマン症候群
側頭連合野顔・物体の認知、記憶、聴覚性認知相貌失認、物体失認、感覚性失語
後頭連合野視覚情報の統合視覚失認、色彩失認
小脳(参考)運動の協調と平衡協調運動障害(運動失調)、企図振戦
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