学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ26A065

理由で解く 柔道整復師

QJ26A065 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問65
問題
房室弁が開いている時期はどれか。
選択肢
1 等容性収縮期
2 駆出期
3 等容性弛緩期
4 充満期
解答
正解4(充満期)
解説

房室弁(三尖弁・僧帽弁)が開いているのは充満期である。心室が弛緩して心室内圧が心房内圧より低くなったときに開き、血液が心房から心室へ流れ込む。

心臓の弁は筋肉で開閉するのではなく、両側の圧の差だけで受動的に開閉する。心周期を圧の変化で追うと、まず心室が収縮を始めて心室圧が心房圧を上回った瞬間に房室弁が閉じる(このときI音が生じる)。続く等容性収縮期は房室弁も半月弁も閉じており、容積は変わらないまま心室圧だけが急上昇する。心室圧が大動脈圧・肺動脈圧を超えると半月弁が開いて駆出期に入る。心室が弛緩して圧が動脈圧より下がると半月弁が閉じ(II音)、まだ心房圧より高い間は房室弁も閉じたままで、これが等容性弛緩期である。さらに心室圧が下がって心房圧を下回ると房室弁が開き、充満期(急速流入期→緩徐流入期→心房収縮期)が始まる。「両弁が閉じる時期が収縮の始めと弛緩の始めに1回ずつある」と押さえると、弁の開閉の順序が迷わなくなる。

✗ 1. 誤り
等容性収縮期
房室弁が閉じた直後の時期で、半月弁もまだ開いていない。両方の弁が閉じているため容積が変わらず、心室内圧だけが急激に上がる。
✗ 2. 誤り
駆出期
半月弁(大動脈弁・肺動脈弁)が開いて血液が動脈へ送り出される時期である。房室弁は閉じたままで、心房への逆流を防いでいる。
✗ 3. 誤り
等容性弛緩期
半月弁が閉じた(II音)あと、心室圧がまだ心房圧より高い間の時期。房室弁はまだ開いておらず、ここでも両弁が閉じて容積は一定のまま圧が下がる。
✓ 4. 正しい
充満期
心室圧が心房圧を下回って房室弁が開き、血液が心室へ流入する時期である。急速流入期に大部分が入り、続く緩徐流入期と心房収縮期の間も房室弁は開いたままである。
ポイント
  • 弁は圧の差で受動的に開閉する。房室弁が開くのは「心室圧<心房圧」のとき=充満期。
  • 心周期の順序:等容性収縮期→駆出期→等容性弛緩期→充満期(急速流入期・緩徐流入期・心房収縮期)。
  • 両方の弁が閉じている時期は2つ(等容性収縮期と等容性弛緩期)。容積が変わらないので「等容性」という。
  • I音=房室弁の閉鎖(収縮期の始まり)、II音=半月弁の閉鎖(弛緩期の始まり)。
  • 心室に血液が入るのは主に急速流入期で、心房収縮の寄与は安静時では2割程度。頻脈になるとこの割合が大きくなる。
比較表
時期房室弁半月弁心室容積心音
等容性収縮期変わらない(最大)始まりにI音
駆出期減少
等容性弛緩期変わらない(最小)始まりにII音
充満期増加(III音・IV音が出ることがある)
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