学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ26A053

理由で解く 柔道整復師

QJ26A053 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問53
問題
プルキンエ細胞があるのはどれか。
選択肢
1 大脳
2 中脳
3 小脳
4 脊髄
解答
正解3(小脳)
解説

プルキンエ細胞は小脳皮質にある大型の抑制性ニューロンで、小脳皮質から出る唯一の出力ニューロンである。正答は小脳。

小脳皮質は表面から順に分子層・プルキンエ細胞層・顆粒層の3層からなる。プルキンエ細胞層には大型のプルキンエ細胞が一列に並び、分子層に向かって扇状(一平面状)に広がる樹状突起を伸ばす。ここへ、顆粒細胞の軸索である平行線維が横から多数のシナプスを作り、下オリーブ核から来る登上線維が樹状突起に巻きつくように強力なシナプスを作る。プルキンエ細胞の軸索は白質を通って小脳核(歯状核・栓状核・球状核・室頂核)や前庭神経核に達し、GABAを伝達物質とする抑制性の出力を送る。つまり小脳への入力は苔状線維と登上線維、出力はプルキンエ細胞を経て小脳核から、という流れである。なお心臓の刺激伝導系にも「プルキンエ線維」があるが、これは心室内で興奮を速く伝える特殊心筋であり、まったくの別物である。「細胞なら小脳、線維なら心臓」と分けて覚えると混同しない。

✗ 1. 誤り
大脳
大脳皮質(新皮質)は6層構造で、そこにある大型の出力ニューロンは錐体細胞である。とくに一次運動野の第5層にあるベッツ細胞(巨大錐体細胞)が代表で、皮質脊髄路の起始細胞となる。
✗ 2. 誤り
中脳
中脳にはドパミン作動性ニューロンからなる黒質、運動調節に関わる赤核、動眼神経核・滑車神経核、視覚反射の上丘と聴覚反射の下丘などがある。プルキンエ細胞は存在しない。
✓ 3. 正しい
小脳
小脳皮質3層の中間、プルキンエ細胞層に一列に並んでいる。扇状に広がる樹状突起で平行線維と登上線維の入力を受け、軸索は小脳核・前庭神経核へGABA作動性の抑制性出力を送る。小脳皮質から外へ出る線維はすべてこの細胞の軸索である。
✗ 4. 誤り
脊髄
脊髄灰白質の代表的な大型ニューロンは前角にあるα運動ニューロン(前角細胞)で、骨格筋の錘外筋線維を支配する。後角には感覚の中継ニューロン、胸髄の側角には交感神経節前ニューロンがある。
ポイント
  • 小脳皮質は外側から分子層・プルキンエ細胞層・顆粒層の3層。
  • プルキンエ細胞は小脳皮質から出る唯一の出力ニューロンで、GABA作動性の抑制性
  • 入力は登上線維(下オリーブ核由来)と平行線維(顆粒細胞の軸索)。
  • 出力先は小脳核(歯状核・栓状核・球状核・室頂核)と前庭神経核。
  • 心臓の刺激伝導系のプルキンエ線維は特殊心筋であり、別物として区別する。
比較表
部位代表的なニューロン・構造特徴
小脳プルキンエ細胞皮質唯一の出力、GABA作動性の抑制性
大脳錐体細胞(ベッツ細胞)6層構造、第5層から皮質脊髄路が起こる
中脳黒質・赤核・上丘/下丘黒質はドパミン作動性
脊髄前角細胞(α運動ニューロン)骨格筋を直接支配する最終共通路
(参考)心臓プルキンエ線維特殊心筋、心室内を速く伝導
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