学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ26A052

理由で解く 柔道整復師

QJ26A052 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問52
問題
写真(別冊 No. 1)を別に示す。交連線維が通る部位はどれか。
図
選択肢
1 a
2 b
3 c
4 d
解答
正解1
解説

交連線維は正中を越えて左右の大脳半球を結ぶ線維で、その代表が脳梁である。本問では a が交連線維の通る部位にあたる。

大脳白質を走る線維は3種類に分けられる。①連合線維は同じ側の半球内で皮質どうしを結ぶもの(上縦束・下縦束・鈎状束・帯状束など)、②交連線維は正中を越えて左右の半球の皮質を結ぶもの(脳梁・前交連・脳弓交連〈海馬交連〉)、③投射線維は皮質と皮質下の核や脳幹・脊髄を結ぶもの(内包・放線冠・大脳脚)である。このうち脳梁は圧倒的に大きく、正中矢状断では脳弓の上を弓なりに走る太い白い帯として見え、前方から吻・膝・幹(体)・膨大に区分される。膝から前頭葉へ向かう線維束を小鉗子、膨大から後頭葉へ向かう線維束を大鉗子という。脳梁は側脳室の上壁を作るため、断面で脳室との位置関係を確かめると同定しやすい。なお「後交連」という交連もあるが、これは間脳と中脳の移行部(視床上部)にあって両側の視蓋前域や動眼神経副核群などを結ぶ線維であり、左右の大脳半球皮質を連絡するものではないので、大脳の交連線維としては数えない。判別に迷ったら「交連=左右を渡る」という語の意味に立ち返り、その線維が正中を横切って反対側の皮質に達するかどうかを基準にすると、3種類を取り違えない。

✓ 1. 正しい
a
a が交連線維の通る部位である。大脳の断面で交連線維の代表となるのは脳梁で、側脳室の上壁を形成しながら左右の半球皮質を相互に連絡する。前交連と脳弓交連(海馬交連)も交連線維だが、いずれも脳梁に比べてはるかに小さい。
✗ 2. 誤り
b
b は交連線維の通る部位ではない。大脳の断面には、皮質と皮質下核・脳幹・脊髄を結ぶ投射線維(内包・放線冠・大脳脚)も目立つ形で現れるが、これらは同じ側で上下に走る線維であって左右の半球を結ぶものではない。判定は「正中を横切って反対側の皮質へ渡るか」で行う。
✗ 3. 誤り
c
c も交連線維の通る部位ではない。交連線維以外の線維(投射線維・連合線維)が通る部位は本問の正答にならない。なお脳梁のすぐ下を走る脳弓のように位置が紛らわしい構造もあるが、脳弓の本体は海馬から乳頭体へ向かう線維束で、左右をつなぐのは脳弓交連の部分だけである。
✗ 4. 誤り
d
d も該当しない。同じ半球内の皮質どうしを結ぶ連合線維は正中を越えないため、交連線維とは区別される。まず脳梁を目印にして断面の向きをつかみ、そこから他の構造の位置関係を確認していく手順が有効である。
ポイント
  • 大脳白質の線維は連合線維・交連線維・投射線維の3種類。
  • 交連線維=正中を越えて左右の半球皮質を結ぶ脳梁(最大)・前交連・脳弓交連(海馬交連)の3つ。
  • 後交連は間脳・中脳の境(視床上部)にある交連で、両側の視蓋前域などを結ぶ。大脳半球皮質を結ぶ交連線維には含めない
  • 脳梁の区分は前から吻・膝・幹(体)・膨大。膝からの線維束が小鉗子、膨大からが大鉗子。
  • 投射線維の代表は内包(前脚・膝・後脚)で、後脚を皮質脊髄路が通る。連合線維の代表は上縦束・下縦束・鈎状束・帯状束で、いずれも正中を越えない。
比較表
線維の種類つなぐもの正中を越えるか代表例
交連線維左右の半球の皮質どうし越える脳梁・前交連・脳弓交連(海馬交連)
連合線維同側半球内の皮質どうし越えない上縦束・下縦束・鈎状束・帯状束
投射線維皮質と皮質下核・脳幹・脊髄越えない(走行の途中で交叉する路はある)内包・放線冠・大脳脚
(参考)後交連両側の視蓋前域・動眼神経副核群など越える間脳・中脳の境(視床上部)にある交連。大脳の交連線維ではない
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。