学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §8 内分泌器系 / QJ26A051

理由で解く 柔道整復師

QJ26A051 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問51
問題
副腎で正しいのはどれか。
選択肢
1 腹腔内に位置する。
2 髄質は外胚葉に由来する。
3 副腎静脈は奇静脈へ流入する。
4 髄質は副交感神経節に相当する。
解答
正解2(髄質は外胚葉に由来する。)
解説

副腎は皮質と髄質で「出身」が違う臓器です。髄質は神経堤(神経外胚葉)から移動してきた細胞に由来し、交感神経節そのものに相当します。

副腎は左右の腎臓の上極に帽子のようにのり、腎とともに脂肪組織に包まれて後腹膜(腹膜の背側)に位置します。外側の皮質は中胚葉性で、球状帯・束状帯・網状帯の3層からアルドステロン、コルチゾール、副腎アンドロゲンというステロイドホルモンを分泌します。内側の髄質は、発生の途中で神経管の背側から移動してきた神経堤細胞が変化したもので、本来なら交感神経の節後ニューロンになるはずの細胞が、軸索を伸ばす代わりにアドレナリン・ノルアドレナリンを血中へ放出する内分泌細胞(クロム親和性細胞)になったものです。そのため髄質には大内臓神経の節前線維が直接シナプスし、機能的にも「交感神経節が丸ごと内分泌器官になったもの」として扱われます。静脈は右副腎静脈が下大静脈へ直接、左副腎静脈が左腎静脈を経て下大静脈へ注ぎます。

✓ 2. 正しい
髄質は外胚葉に由来する。
髄質は神経堤(神経外胚葉)由来です。神経管ができる過程でその背側から遊離した神経堤細胞が腹側へ移動し、皮質の原基に取り込まれて髄質になります。皮質は中胚葉(尿生殖堤の体腔上皮)由来なので、1つの臓器の中に由来の異なる2つの組織が同居していることになります。
✗ 1. 誤り
腹腔内に位置する。
副腎は腎臓と同じく後腹膜器官(腹膜後器官)です。腹膜の後ろ側に置かれており、腹腔の中に露出してはいません。腎・尿管・副腎・膵(大部分)・十二指腸(大部分)・腹大動脈・下大静脈をひとまとめに後腹膜のグループとして覚えておくと、この形の設問で迷わなくなります。
✗ 3. 誤り
副腎静脈は奇静脈へ流入する。
副腎静脈の行き先は左右で違い、右は下大静脈へ直接、左は左腎静脈を経て下大静脈へ入ります(左精巣/卵巣静脈が左腎静脈に入るのと同じ形)。奇静脈は胸壁・後腹壁の静脈を集めて上大静脈に注ぐ系統で、副腎の還流路ではありません。
✗ 4. 誤り
髄質は副交感神経節に相当する。
相当するのは交感神経節です。ふつうの交感神経では節前線維が神経節で節後ニューロンに乗り換えますが、髄質では節後ニューロンにあたる細胞が内分泌細胞に変化しているため、節前線維(大内臓神経)が直接シナプスします。放出されるアドレナリンが心拍数上昇や瞳孔散大といった闘争・逃走反応を起こすことも、交感神経の働きと一致します。
ポイント
  • 副腎は後腹膜器官。腎・尿管・膵・副腎をひとまとまりで覚える。
  • 皮質=中胚葉由来でステロイド、髄質=神経堤(外胚葉)由来でカテコールアミン。
  • 髄質は交感神経節に相当し、節前線維(大内臓神経)が直接シナプスする。
  • 静脈は右が下大静脈へ、左が左腎静脈へ。動脈は上・中・下副腎動脈の3本。
  • 髄質を問われたら「交感神経」とセットで思い出す、と決めておくと由来・神経支配・ホルモンが一続きで引き出せる。
比較表
項目副腎皮質副腎髄質
発生の由来中胚葉(尿生殖堤の体腔上皮)神経堤(神経外胚葉)
位置・構造外側の3層(球状帯・束状帯・網状帯)内側のクロム親和性細胞の集まり
ホルモンアルドステロン/コルチゾール/副腎アンドロゲンアドレナリン/ノルアドレナリン
化学的性質ステロイドカテコールアミン(アミン)
神経支配直接支配なし(下垂体のACTHなどで調節)交感神経の節前線維が直接シナプス=交感神経節に相当
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