学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §37 生理学 / QJ26A007

理由で解く 柔道整復師

QJ26A007 必修問題

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問7
問題
免疫抑制作用があるのはどれか。
選択肢
1 エストロゲン
2 成長ホルモン
3 サイロキシン
4 糖質コルチコイド
解答
正解4(糖質コルチコイド)
解説

免疫抑制作用をもつのは副腎皮質束状層から分泌される糖質コルチコイド(コルチゾール)である。

糖質コルチコイドはストレス時に視床下部−下垂体前葉(ACTH)を介して分泌が高まり、糖新生を促して血糖を上げるとともに、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を示す。具体的にはリンパ球(とくにT細胞)を減らし、サイトカインの産生を抑え、ホスホリパーゼA₂を抑制してプロスタグランジンなどの炎症メディエーター産生を減らす。血液像では「リンパ球・好酸球が減り、好中球が増える」という組合せが特徴的である。この作用を利用したのが合成ステロイド薬で、炎症性疾患や臓器移植後に用いられる一方、易感染性・創傷治癒遅延・骨粗鬆症・満月様顔貌などの副作用が問題になる。

✓ 4. 正しい
糖質コルチコイド
副腎皮質束状層から分泌され、リンパ球やサイトカイン産生を抑えて免疫反応を弱める。抗炎症薬・免疫抑制薬として使われる根拠がここにある。
✗ 1. 誤り
エストロゲン
卵巣から分泌される女性ホルモンで、二次性徴の発現、子宮内膜の増殖、骨吸収の抑制などに働く。免疫を抑制する作用はない。
✗ 2. 誤り
成長ホルモン
下垂体前葉から分泌され、ソマトメジンC(IGF-1)を介して骨の成長と蛋白同化を促す。免疫を抑える作用はない。
✗ 3. 誤り
サイロキシン
甲状腺から分泌され、基礎代謝と熱産生を高め、成長・発育を促進する。免疫抑制作用はない。
ポイント
  • 糖質コルチコイド(コルチゾール)=副腎皮質束状層。抗炎症・免疫抑制・糖新生促進・蛋白異化
  • 血液像は「リンパ球減少・好酸球減少・好中球増加」がセット
  • 分泌はACTH(下垂体前葉)が調節し、ストレスで増加。早朝に高く夜間に低い日内変動をもつ
  • 副腎皮質は外側から球状層(電解質コルチコイド)・束状層(糖質コルチコイド)・網状層(副腎アンドロゲン)
  • ステロイド薬の副作用として易感染性・創傷治癒遅延・骨粗鬆症・満月様顔貌・高血糖に注意する
比較表
ホルモン分泌部位主な作用免疫抑制
エストロゲン卵巣(顆粒膜細胞)二次性徴、子宮内膜増殖、骨吸収抑制なし
成長ホルモン下垂体前葉骨端軟骨での成長促進、蛋白同化、血糖上昇なし
サイロキシン甲状腺基礎代謝・熱産生の亢進、成長発育なし
糖質コルチコイド副腎皮質束状層糖新生、蛋白異化、抗炎症あり
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