学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §37 生理学 / QJ26A005
理由で解く 柔道整復師
ATPのエネルギーを使い、濃度勾配(電気化学的勾配)に逆らって物質を運ぶのが能動輸送である。
細胞膜を介した物質移動は、エネルギーを必要としない受動輸送と、必要とする能動輸送に大別される。受動輸送は濃度差や圧力差という「坂道」を下る移動で、単純拡散・促通(促進)拡散・浸透・ろ過がこれに当たる。一方、能動輸送は坂道を上る移動なので、輸送体(ポンプ)がATPを分解してその差を生み出す必要がある。代表がNa⁺-K⁺ポンプ(Na⁺-K⁺-ATPase)で、ATP1分子あたり細胞内のNa⁺を3個汲み出しK⁺を2個取り込み、細胞内外のイオン差=静止膜電位の土台をつくる。なお、輸送体そのものはATPを分解せず、ポンプが作ったNa⁺勾配を借りて別の物質を勾配に逆らわせる仕組みを二次性能動輸送といい、ATPは間接的に使われる(腎尿細管でのグルコース・アミノ酸の再吸収など)。判断の軸はただ一つ、「濃度勾配に逆らうかどうか」である。
| 移動様式 | 駆動力 | ATP | 例 |
|---|---|---|---|
| ろ過 | 静水圧の差 | 不要 | 腎糸球体のろ過、毛細血管からの水の移動 |
| 浸透 | 浸透圧の差 | 不要 | 赤血球の膨張・収縮 |
| 単純拡散 | 濃度勾配 | 不要 | O₂・CO₂の膜通過 |
| 促通拡散 | 濃度勾配+輸送体 | 不要 | グルコースの細胞内取り込み(GLUT) |
| 能動輸送(一次性) | 輸送体自身がATPを分解して勾配に逆らう | 直接必要 | Na⁺-K⁺ポンプ、H⁺-K⁺ポンプ、Ca²⁺ポンプ |
| 能動輸送(二次性) | ポンプが作ったNa⁺勾配を利用 | 間接的に必要 | 腎尿細管でのグルコース・アミノ酸の再吸収(Na⁺共輸送) |
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