学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ25P105
理由で解く 柔道整復師

母指と示指できれいな輪(マル)が作れず、指先が伸びたまま接する「涙のしずく型」になるのは前骨間神経麻痺の典型所見で、この神経が支配する方形回内筋の麻痺が起こります。
前骨間神経は、正中神経が肘関節のやや遠位で分かれる純粋な運動枝で、長母指屈筋・示指(および中指)の深指屈筋・方形回内筋の3つを支配します。麻痺すると母指のIP関節と示指のDIP関節を屈曲できなくなり、輪を作らせると両指の末節が曲がりきらず涙滴状になります(ティアドロップサイン、パーフェクトO試験陽性)。感覚枝をもたないため、しびれや感覚障害が出ないことが正中神経本幹の障害との決定的な違いです。本症例のように前腕近位掌側の急な痛みで始まり、数日遅れて運動麻痺が現れる経過は、この麻痺で典型的に語られる発症様式です。徒手検査で運動麻痺の範囲を確認したうえで、神経障害が疑われる以上は医療機関での評価につなげます。
| 前骨間神経麻痺 | 正中神経本幹の障害 | |
|---|---|---|
| 感覚障害 | なし(純運動枝) | あり(母指〜環指橈側) |
| 母指球筋 | 侵されない | 萎縮しうる(猿手) |
| 特徴的所見 | ティアドロップサイン | 母指球萎縮、感覚異常 |
| 代表的な支配筋 | 長母指屈筋・示指深指屈筋・方形回内筋 | 前腕屈筋群+母指球筋 |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。