学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ25P080

理由で解く 柔道整復師

QJ25P080 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問80
問題
上腕骨・骨幹部三角筋付着部より遠位部の骨折で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 近位骨片-内方転位
2 遠位骨片一・外上方転位
3 近位骨片 -前外方転位
4 遠位骨片一・後下方転位
解答
正解3(近位骨片 -前外方転位)
解説

上腕骨骨幹部で三角筋付着部より遠位が折れた場合、近位骨片は三角筋に引かれて前外方(外上方)へ転位する。したがって正しい組合せは3である。

上腕骨骨幹部骨折の転位は「骨折線が三角筋付着部(三角筋粗面)より近位か遠位か」で正反対になる。三角筋粗面より遠位で折れると、近位骨片には三角筋と烏口腕筋が付着したまま残るため、これらの牽引で骨片は外方かつ前方へ引き上げられる(前外方転位)。一方、遠位骨片には上腕二頭筋と上腕三頭筋が働き、長軸方向に引き上げられて上方転位(短縮転位)を示す。逆に三角筋粗面より近位で折れた場合は、近位骨片が大胸筋・広背筋・大円筋に引かれて内方へ、遠位骨片が三角筋に引かれて外上方へ転位する。どの筋が付いている側かを図に描いて考えれば、丸暗記に頼らず判断できる。なお上腕骨骨幹部中央から遠位1/3の骨折では橈骨神経麻痺(下垂手)を合併しやすく、手関節背屈と母指伸展の確認を欠かさない。

✓ 3. 正しい
近位骨片 -前外方転位
三角筋粗面より遠位の骨折では、近位骨片に三角筋と烏口腕筋が付着したまま残る。これらの牽引により骨片は前方かつ外方へ引き上げられる。
✗ 1. 誤り
近位骨片-内方転位
近位骨片が内方に転位するのは、三角筋付着部より近位で折れた場合である。大胸筋・広背筋・大円筋の牽引による転位で、本問の骨折型とは条件が異なる。
✗ 2. 誤り
遠位骨片一・外上方転位
遠位骨片が外上方へ引かれるのは、三角筋が遠位骨片側に付着する近位骨折の場合である。本問では三角筋は近位骨片側にあり、遠位骨片には作用しない。
✗ 4. 誤り
遠位骨片一・後下方転位
遠位骨片は上腕二頭筋と上腕三頭筋に長軸方向へ引かれ、上方(短縮)へ転位する。後下方へ引く筋の作用は働かない。
ポイント
  • 上腕骨骨幹部骨折の転位は三角筋付着部(三角筋粗面)より近位か遠位かで正反対になる。
  • 三角筋粗面より遠位の骨折:近位骨片は三角筋・烏口腕筋で前外方(外上方)、遠位骨片は上腕二頭筋・三頭筋で上方(短縮)。
  • 三角筋粗面より近位の骨折:近位骨片は大胸筋・広背筋・大円筋で内方、遠位骨片は三角筋で外上方。
  • 「どちら側にどの筋が付いているか」を描いて考えれば暗記に頼らずに導ける。
  • 中央〜遠位1/3の骨折では橈骨神経麻痺(下垂手)に注意し、手関節背屈・母指伸展と手背橈側の感覚を確認する。
比較表
骨折の高さ近位骨片遠位骨片
三角筋付着部より近位内方転位(大胸筋・広背筋・大円筋)外上方転位(三角筋)
三角筋付着部より遠位前外方(外上方)転位(三角筋・烏口腕筋)上方=短縮転位(上腕二頭筋・三頭筋)
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