学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §8 疾患別各論 感染性疾患 / QJ25P058
理由で解く 柔道整復師
化膿性骨髄炎は黄色ブドウ球菌などが骨に感染して起こる疾患で、感染経路は「血行性」「隣接する化膿巣からの波及」「外傷・手術による直達」の3つ。最大の注意点は、単純X線の骨膜反応が発症直後には写らないことである。
小児の急性血行性骨髄炎は長管骨の骨幹端に好発する。骨幹端の毛細血管はヘアピン状に折り返して血流が緩やかなうえ、血管内皮の隙間が大きく細菌が停滞しやすいためである。骨髄内に膿がたまると髄内圧が上がり、膿は Volkmann 管・Havers 管を通って骨膜下へ抜けて骨膜を持ち上げる。骨膜からの血流を絶たれた皮質骨は壊死して腐骨となり、持ち上げられた骨膜の内側には新生骨が殻状に作られる。これが骨柩である。一方、単純X線で骨膜反応・骨透亮像・骨硬化像が読めるようになるのは、骨が十分に脱灰されるまで待つ必要があり、発症からおよそ2週間前後を要する。つまり初発時のX線はほぼ正常に見える。したがって発症早期は「X線が正常だから骨髄炎ではない」と決めつけず、局所の激しい疼痛・熱感・腫脹と発熱、白血球数・CRP・赤沈の上昇を重くみて、MRIや骨シンチグラフィによる早期診断につなげる。なお好発部位はあくまで骨幹端であるが、乳児期は骨幹端と骨端の血管が交通しているため、病巣が骨端・関節内へ波及して化膿性関節炎を合併することがある。柔道整復の現場では、外傷後や小児で患肢を動かさず(仮性麻痺)、発熱を伴う長管骨骨幹端の強い限局性疼痛・圧痛をみたら、施術で経過をみるのではなく速やかに医師へ紹介し、血液培養・穿刺培養に基づく抗菌薬投与とドレナージにつなげることが求められる。
| 発症からの時期 | 単純X線 | MRI・骨シンチ | 臨床・血液所見 |
|---|---|---|---|
| 発症〜数日(初発時) | 骨には変化なし。軟部組織の腫脹陰影がわかる程度 | MRIは骨髄浮腫を早期から高信号として描出。骨シンチも早期から集積 | 骨幹端に限局した激痛・圧痛・熱感・腫脹、発熱、患肢を動かさない(仮性麻痺) |
| 約2週前後 | 骨膜反応(骨膜下新生骨)・骨透亮像が出現 | 膿瘍や骨髄内の広がりを評価 | 白血球数・CRP・赤沈の高値が持続 |
| 慢性期 | 腐骨(周囲より白く硬化して見える)、骨柩、骨瘻孔 | 残存病巣・瘻孔の評価 | 瘻孔からの排膿と再燃を繰り返す |
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