学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §14 意識障害(救急法) / QJ25P052

理由で解く 柔道整復師

QJ25P052 外科学概論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問52
問題
頭部打撲で救急搬入時、随意運動なく四肢伸展を認めた。 Glasgow Coma Scale (GCS)のうち運動機能の判定で正しいのはどれか。
選択肢
1 M1
2 M2
3 M3
4 M4
解答
正解2(M2)
解説

正しいのはM2。随意運動がなく刺激に対して四肢を伸展させる反応は除脳硬直であり、GCSの運動反応ではM2に相当します。

GCSの運動反応(M)は、命令に従えるM6から、まったく動かないM1まで、反応の「質」が落ちる順に並んでいます。異常肢位は2段階あり、上肢を屈曲させる除皮質硬直がM3、上下肢とも伸展・内旋する除脳硬直がM2です。除皮質硬直は大脳半球〜内包レベル、除脳硬直は中脳〜橋レベルの障害を示唆し、除脳硬直のほうが障害部位が下位で予後が不良です。本問は「随意運動なく四肢伸展」とあり、伸展位の異常肢位=除脳硬直=M2と判定します。頭部外傷では経時的にGCSを再評価し、点数の低下(とくに運動反応の悪化)を頭蓋内圧亢進のサインとして拾うことが重要です。

✓ 2. 正しい
M2
四肢の伸展は除脳硬直であり、GCS運動反応ではM2です。中脳から橋のレベルの障害を示唆する所見で、脳ヘルニアの進行を疑い、気道・呼吸・循環の安定化と頭部CTによる評価を急ぎます。
✗ 1. 誤り
M1
M1は刺激を与えてもまったく動かない状態です。本症例は四肢の伸展という運動反応が確認されているため、M1には該当しません。
✗ 3. 誤り
M3
M3は異常屈曲、すなわち上肢を屈曲・内転させる除皮質硬直です。本症例は伸展位であり、屈曲ではないためM3には当たりません。除皮質硬直(屈曲)より除脳硬直(伸展)のほうが重症、と対で覚えます。
✗ 4. 誤り
M4
M4は痛み刺激から逃れようとする逃避屈曲で、刺激部位を認識せずに引っ込める反応です。異常肢位ではないため、四肢伸展を示す本症例には該当しません。
ポイント
  • GCSは開眼E4+言語V5+運動M6の計3〜15点。運動反応は最良の反応を採用する。
  • 四肢伸展=除脳硬直=M2。上肢屈曲=除皮質硬直=M3。
  • 伸展(M2)のほうが屈曲(M3)より障害部位が下位(中脳〜橋)で重症。
  • M1は無反応、M4は逃避屈曲、M5は刺激部位に手を持ってくる、M6は命令に従う。
  • 頭部外傷では反復評価が要点。運動反応の低下は頭蓋内圧亢進・脳ヘルニアを疑う契機になる。
比較表
点数運動反応(M)意味づけ
M6命令に従う最良
M5痛み刺激部位に手を持ってくる(払いのける)刺激部位を認識できる
M4痛み刺激から逃避する屈曲部位の認識はない
M3異常屈曲(除皮質硬直)大脳半球〜内包レベル
M2四肢伸展(除脳硬直)中脳〜橋レベル。より重症
M1まったく動かない最不良
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