学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §12 心肺蘇生法(救急法) / QJ25P051

理由で解く 柔道整復師

QJ25P051 外科学概論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問51
問題
心肺蘇生で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 ハイムリック法-異物除去法
2 心臓マッサージの部位ーー胸骨の上半分
3 AED- 自動体外式除細動器
4 蘇生着手-胸骨圧迫
解答
正解2(心臓マッサージの部位ーー胸骨の上半分)
解説

誤っている組合せは2。胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行う部位は胸骨の上半分ではなく、下半分です。

圧迫部位が下半分である理由は解剖にあります。心臓は胸骨の下方に位置し、胸骨下半分を押すことで心臓と大血管を効率よく圧迫して血液を送り出せます。上方すぎると圧が心臓に伝わらず有効な血流が生まれず、下方すぎて剣状突起にかかると肝損傷などの危険が増します。実施の要点は、胸骨の下半分に手掌基部を置き、成人では約5cm(6cmを超えない)の深さで、1分間に100〜120回のテンポで、圧迫のたびに胸を完全に戻し、中断を最小限にすることです。これらは第25回の出題時点で用いられていた蘇生ガイドライン(JRC2015)に沿った数値です。

✓ 2. これが誤った組合せ(=答え)
心臓マッサージの部位ーー胸骨の上半分
正しくは胸骨の下半分です。心臓が胸骨下方に位置するため、ここを圧迫することで有効な血流が得られます。手掌基部を胸骨下半分に当て、肘を伸ばして垂直に体重をかける姿勢をとると、深さとテンポを維持しやすくなります。
✗ 1. 正しい組合せ(答えではない)
ハイムリック法-異物除去法
ハイムリック法(腹部突き上げ法)は、上腹部を上方へ圧迫して横隔膜を押し上げ、肺内の空気を一気に押し出すことで気道異物を排出させる方法です。背部叩打法と並ぶ気道異物除去の基本手技です。腹部突き上げが適さない場合は代替手技を用います。妊婦・高度肥満者には胸部突き上げ法を、乳児には背部叩打法と胸部突き上げ法を交互に行い、いずれも異物が出るか反応がなくなるまで続けます。
✗ 3. 正しい組合せ(答えではない)
AED- 自動体外式除細動器
AEDはAutomated External Defibrillatorの略で、自動体外式除細動器を指します。心電図を自動解析し、心室細動や無脈性心室頻拍と判断したときに電気ショックを促します。到着したら速やかに装着し、音声ガイダンスに従って使用します。
✗ 4. 正しい組合せ(答えではない)
蘇生着手-胸骨圧迫
心停止を認識したら人工呼吸より先に胸骨圧迫から開始します(C-A-Bの順)。圧迫開始までの時間を短くするほど社会復帰率が高まるため、反応と呼吸の確認後は応援・AED要請と同時にただちに胸骨圧迫を始めます。
ポイント
  • 圧迫部位は胸骨の下半分。心臓が胸骨下方にあるから有効な血流が得られる。
  • 成人の胸骨圧迫は深さ約5cm(6cmを超えない)、100〜120回/分、圧迫解除で胸を完全に戻す。
  • 蘇生は胸骨圧迫から着手(C-A-B)。中断を最小限にする。
  • ハイムリック法=腹部突き上げによる気道異物除去。妊婦・高度肥満者には胸部突き上げ法を、乳児には背部叩打法と胸部突き上げ法を交互に行う。
  • AED=自動体外式除細動器。心室細動・無脈性心室頻拍に電気ショックを行う。
比較表
項目成人BLSの基準(出題時点のガイドライン)
圧迫部位胸骨の下半分
圧迫の深さ約5cm(6cmを超えない)
圧迫のテンポ100〜120回/分
圧迫と換気の比30:2
開始順序胸骨圧迫→気道確保→人工呼吸(C-A-B)
解除毎回胸壁を完全に元へ戻す
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