学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §10 検査法 生体機能検査 / QJ25P035

理由で解く 柔道整復師

QJ25P035 一般臨床医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問35
問題
筋電図検査が診断に有用なのはどれか。
選択肢
1 髄膜炎
2 くも膜下出血
3 筋萎縮性側索硬化症
4 アルツハイマー型認知症
解答
正解3(筋萎縮性側索硬化症)
解説

筋電図は筋・末梢神経・運動ニューロンの機能をみる検査であり、選択肢の中では運動ニューロンが変性する筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断に有用である。正答は3。

検査は「どこの異常を見たいか」で選ぶ。筋電図は筋線維の活動電位を記録し、脱神経に伴う線維自発電位や陽性鋭波、再支配による高振幅・長持続の運動単位電位といった神経原性変化、あるいは低振幅・短持続の筋原性変化を検出できる。ALSは上位・下位両方の運動ニューロンが変性する疾患で、筋萎縮・線維束性収縮・筋力低下(下位)と腱反射亢進・病的反射(上位)が同居し、感覚障害を欠くのが特徴である。針筋電図で複数の髄節・領域にわたる下位運動ニューロン障害の所見をとらえることが、診断の重要な根拠となる。これに対し、髄膜炎やくも膜下出血は髄液検査や頭部CTなど中枢神経を直接評価する検査が必要であり、アルツハイマー型認知症は神経心理検査と画像検査で評価する。筋力低下や筋萎縮が進行する例では、原因の推定にとどめて速やかに医療機関の受診を勧めることが大切である。

✓ 3. 正しい
筋萎縮性側索硬化症
下位運動ニューロンの変性により脱神経が生じるため、針筋電図で線維自発電位・陽性鋭波や、再支配による高振幅・長持続の運動単位電位といった神経原性変化を認める。複数領域に所見が及ぶことが診断の支持となる。
✗ 1. 誤り
髄膜炎
診断の中心は腰椎穿刺による髄液検査(細胞数、蛋白、糖、培養)である。項部硬直やケルニッヒ徴候などの髄膜刺激症状が手がかりとなり、筋電図は診断に用いない。
✗ 2. 誤り
くも膜下出血
突然の激しい頭痛で発症し、頭部CTでくも膜下腔の高吸収域を確認するのが基本で、必要に応じて髄液検査や脳血管撮影を行う。筋電図の適応ではない。
✗ 4. 誤り
アルツハイマー型認知症
神経心理検査による認知機能評価と、頭部MRIなどの画像検査による海馬領域の萎縮の確認が中心である。末梢の筋活動を記録する筋電図では評価できない。
ポイント
  • 筋電図は筋・末梢神経・運動ニューロンの障害を評価する検査。中枢の炎症や出血、認知機能は評価できない。
  • 神経原性変化=線維自発電位、陽性鋭波、高振幅・長持続の運動単位電位。
  • ALSは上位+下位運動ニューロン障害が併存し、感覚障害を欠くのが特徴。
  • 髄膜炎=髄液検査、くも膜下出血=頭部CT、アルツハイマー型認知症=神経心理検査+MRI。
  • 進行する筋力低下・筋萎縮・線維束性収縮を認めたら、早期に医療機関の受診を勧める。
比較表
疾患診断に有用な主な検査
筋萎縮性側索硬化症針筋電図(神経原性変化)、神経伝導検査
髄膜炎髄液検査(細胞数・蛋白・糖・培養)
くも膜下出血頭部CT、脳血管撮影、髄液検査
アルツハイマー型認知症神経心理検査、頭部MRI・SPECT
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