学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §6 診察各論 触診 / QJ25P028

理由で解く 柔道整復師

QJ25P028 一般臨床医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問28
問題
触診で正しいのはどれか。
選択肢
1 三叉神経第 3枝神経痛の圧痛点は上眼窩点である。
2 下腿の浮腫は脛骨部を指で押すと圧痕が生じる。
3 皮下の良性腫瘍では可動性が悪い。
4 皮膚の触診では始めに局所を触れる。
解答
正解2(下腿の浮腫は脛骨部を指で押すと圧痕が生じる。)
解説

下腿前面の脛骨部は皮下に骨がすぐある部位で、圧迫すると余分な組織間液が押しのけられて圧痕(ピッティング)が残るため、浮腫の判定に用いられる。正答は2。

浮腫は組織間隙に水分が過剰に貯留した状態で、重力の影響を受けて下腿・足背など下方に出やすい。骨の上のように圧を逃がしにくい部位を母指で数秒間圧迫し、離した後にくぼみが残れば圧痕性浮腫と判定する。心不全・腎疾患・低蛋白血症などで生じる浮腫はこの圧痕性を示し、一方でリンパ浮腫や甲状腺機能低下症の粘液水腫は圧痕を残しにくい。触診全般の原則としては、患者に苦痛の少ない健常部・広い範囲から始め、疼痛のある局所は最後に触れることで、防御反応による所見の取りづらさを避け、患者の不安も軽くできる。腫瘤の触診では硬さ・表面性状・可動性・圧痛を系統的に確かめ、可動性が乏しく硬い腫瘤では周囲への浸潤を念頭に医療機関受診を勧める。

✓ 2. 正しい
下腿の浮腫は脛骨部を指で押すと圧痕が生じる。
脛骨前面は皮下組織が薄く直下に骨があるため圧が逃げず、貯留した組織間液が押しのけられて圧痕が残る。圧痕性浮腫の判定部位として下腿前面や足背が用いられる。
✗ 1. 誤り
三叉神経第 3枝神経痛の圧痛点は上眼窩点である。
三叉神経の圧痛点は枝ごとに出る部位が異なり、第3枝(下顎神経)に対応するのはオトガイ孔付近のオトガイ点である。眼窩上切痕付近の圧痛点は第1枝(眼神経)に対応する。
✗ 3. 誤り
皮下の良性腫瘍では可動性が悪い。
良性腫瘍は被膜に包まれて周囲組織を圧排するだけのことが多く、可動性は良好で境界も明瞭である。周囲へ浸潤して可動性が乏しくなるのは悪性腫瘍を疑う所見である。
✗ 4. 誤り
皮膚の触診では始めに局所を触れる。
触診は健常部や広い範囲から始め、疼痛のある局所は最後に触れるのが原則である。先に痛い部位を触れると防御反応で他の所見が取りにくくなり、患者の緊張も高まるため、順序を守って進める。
ポイント
  • 圧痕性浮腫は骨直上(脛骨前面・足背)を数秒圧迫し、くぼみの残存で判定する。
  • 圧痕を残しにくい浮腫=リンパ浮腫、粘液水腫(甲状腺機能低下症)。
  • 三叉神経の圧痛点は枝別に対応。第1枝=眼窩上(前頭)点、第2枝=眼窩下点、第3枝=オトガイ点。
  • 良性腫瘍=可動性良好・境界明瞭、悪性腫瘍=硬く可動性不良・境界不明瞭。
  • 触診は健常部から始め、疼痛部位は最後に。手を温め、声をかけながら愛護的に行う。
比較表
三叉神経の枝対応する圧痛点支配領域の目安
第1枝(眼神経)眼窩上点(眼窩上切痕部)前額・上眼瞼
第2枝(上顎神経)眼窩下点(眼窩下孔部)下眼瞼・頬・上唇
第3枝(下顎神経)オトガイ点(オトガイ孔部)下唇・オトガイ・側頭部
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