学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ25P017

理由で解く 柔道整復師

QJ25P017 リハビリテーション医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問17
問題
脳卒中片麻痺の回復をみるブルンストローム法で分離運動がみられてくるのはどれか。
選択肢
1 ステージ2
2 ステージ3
3 ステージ4
4 ステージ5
解答
正解3(ステージ4)
解説

ブルンストローム法では、共同運動のパターンから抜け出した動き(分離運動)が出現しはじめるのはステージ4である。ステージ5になると、その分離運動が広い範囲で行えるようになる。

脳卒中片麻痺の回復は、弛緩→連合反応と共同運動の出現(同時に痙縮が現れる)→共同運動の完成(痙縮が最強)→分離運動の出現(痙縮が減りはじめる)→協調性の回復、という一定の順序をたどる。ブルンストロームはこの流れを 6 段階に整理した。ポイントは痙縮のピークがステージ3にあることで、ここを境に「パターンに入っていく」段階から「パターンから抜け出す」段階へと質が変わる。ステージ4の上肢の代表課題は、手を腰の後ろに回す、肘を伸ばしたまま上肢を前方水平まで挙げる、肘 90 度屈曲位で前腕を回内・回外する、の 3 つ。いずれも屈筋共同運動・伸筋共同運動のどちらのパターンにも当てはまらない組み合わせであり、だから「分離」と呼ばれる。設問は「みられてくる」=出現しはじめる時期を問うているので、ステージ4が答えになる。

✗ 1. 誤り
ステージ2
連合反応や共同運動の要素がわずかに現れ、痙縮が出はじめる段階。随意運動はまだ乏しく、分離運動は出ていない。
✗ 2. 誤り
ステージ3
屈筋・伸筋の共同運動が随意的に完全に行える段階で、同時に痙縮が最も強い。動きはパターンに縛られており、そこから外れる分離運動はまだできない。
✓ 3. 正しい
ステージ4
痙縮が減りはじめ、共同運動から逸脱した分離運動が一部出現する段階。上肢では「手を腰の後ろに回す」「肘伸展位で上肢を前方水平挙上」「肘 90 度屈曲位で前腕回内外」が指標となる。
✗ 4. 誤り
ステージ5
分離運動がさらに進み、共同運動から独立して広範に行える段階。出現しはじめる時期より一段先なので、設問の答えにはならない。
ポイント
  • Ⅰ弛緩・随意運動なし → Ⅱ連合反応と共同運動の要素が出現(痙縮出現) → Ⅲ共同運動が随意的に完成(痙縮が最強) → Ⅳ分離運動が出現(痙縮が減少しはじめる) → Ⅴ分離運動が広範に可能 → Ⅵ協調性ほぼ正常(痙縮ほぼ消失)。
  • 痙縮のピークはステージ3。ここが「パターンに入る」と「パターンから抜ける」の分岐点。
  • ステージ4の上肢課題:手を腰の後ろに回す/肘伸展位で前方水平挙上/肘 90 度屈曲位で前腕回内外。
  • 「出はじめる」=4、「広範にできる」=5。設問の動詞で読み分けるとステージ4と5の取り違えを防げる。
  • ステージは訓練の到達目標や装具選択の判断材料になるので、段階と課題を対応づけて覚える。
比較表
ステージ随意運動の状態痙縮
弛緩性麻痺。随意運動なしなし
連合反応、共同運動の要素がわずかに出現出現しはじめる
共同運動が随意的に完全に行える最も強い
共同運動から逸脱した分離運動が一部出現減少しはじめる
分離運動が広範に行えるさらに減少
協調性がほぼ正常、速い動きも可能ほぼ消失
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