学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §6 歩行 / QJ25A095

理由で解く 柔道整復師

QJ25A095 運動学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問95
問題
走行で正しいのはどれか。
選択肢
1 走行の歩行周期は歩行と異なる。
2 両足がともに地面から離れている時期がある。
3 重心の上下方向への移動が歩行より小さい。
4 走行可能になるのは3歳前後である。
解答
正解2(両足がともに地面から離れている時期がある。)
解説

走行には、両足がともに地面から離れる時期(浮遊期・両脚遊脚期)があります。これが歩行との決定的な違いで、正答は2です。

歩行も走行も、一側の踵接地から次の同側の踵接地までを1周期とし、立脚相と遊脚相の繰り返しで構成される点は共通しています。決定的に異なるのは、歩行には必ず両足が同時に接地している両脚支持期があるのに対し、走行ではこれが消え、代わりに両足とも地面から離れる浮遊期が現れることです。歩行では立脚相がおよそ6割・遊脚相が4割ですが、走行では立脚相の割合が短くなり、速度が上がるほどさらに短縮します。また浮遊期を作り出すために床を強く蹴る必要があるため、重心の上下移動は歩行より大きくなり、着地時の床反力も大きくなります。発達の面では、独歩の獲得(1歳前後)に続いて2歳前後で走行が可能になります。

✗ 1. 誤り
走行の歩行周期は歩行と異なる。
走行も一側の踵接地から次の同側の踵接地までを1周期とし、立脚相と遊脚相に分けて考える点は歩行と同じです。異なるのは周期の構成そのものではなく、両脚支持期がなく浮遊期があること、立脚相の割合が短いことです。「周期の枠組みは同じ、中身の配分が違う」と整理しておきましょう。
✓ 2. 正しい
両足がともに地面から離れている時期がある。
これが走行を定義づける特徴で、浮遊期(両脚遊脚期)と呼ばれます。歩行では必ず両脚支持期があり、両足が同時に地面から離れることはありません。「歩行=両脚支持期あり/走行=浮遊期あり」が両者を分ける最も確実な判別点です。
✗ 3. 誤り
重心の上下方向への移動が歩行より小さい。
走行は浮遊期を作るために強く床を蹴り上げるので、重心の上下方向への移動は歩行より大きくなります。その分、着地時に受ける床反力も大きくなり、下肢への衝撃が増します。走行時の傷害を考えるうえでも押さえておきたい特徴です。
✗ 4. 誤り
走行可能になるのは3歳前後である。
走行が可能になるのは2歳前後です。1歳前後で独歩を獲得し、2歳前後で走れるようになり、3歳頃には片脚立ちや三輪車こぎができるようになる、という流れで年齢と運動を対応づけておくと確実です。
ポイント
  • 歩行・走行とも、一側の踵接地から次の同側踵接地までを1周期とし、立脚相と遊脚相で構成される。
  • 歩行には両脚支持期がある。走行にはこれがなく、代わりに浮遊期(両脚遊脚期)がある。
  • 歩行の立脚相はおよそ6割・遊脚相4割。走行では立脚相の割合が短く、速度が上がるほど短縮する。
  • 走行は重心の上下移動が歩行より大きく、着地時の床反力も大きい。
  • 発達の目安:1歳前後で独歩、2歳前後で走行、3歳頃に片脚立ちや三輪車こぎ。
比較表
項目歩行走行
周期の構成立脚相+遊脚相立脚相+遊脚相(枠組みは同じ)
両脚支持期ありなし
両足が地面から離れる時期なしあり(浮遊期)
立脚相の割合約60%60%未満(速度が上がるほど短縮)
重心の上下移動小さい大きい
獲得時期1歳前後(独歩)2歳前後
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