学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §6 歩行 / QJ24A095

理由で解く 柔道整復師

QJ24A095 運動学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問95
問題
ひとり歩きを始めた小児の歩行の特徴で正しいのはどれか。
選択肢
1 歩行率(ケイデンス)が低い。
2 踵から接地する。
3 支持基底面が狭い。
4 上肢を高く挙上する。
解答
正解4(上肢を高く挙上する。)
解説

歩き始めたばかりの小児は、両上肢を高く挙げて構える姿勢(ハイガードポジション)でバランスをとりながら歩きます。したがって正答は4です。

ひとり歩きは生後12〜15か月ごろに始まりますが、この時期はバランスを保つ機構も下肢の筋力も未熟です。そのため小児は、両脚を左右に大きく開いて歩隔を広げ支持基底面を大きくとる、両上肢を挙げて構える、歩幅を小さくして歩数を稼ぐ、足底全体をつけて接地する、両脚支持期の割合を大きくする、といった安定を優先した歩き方をします。成熟にともなってこれらは順に変化し、上肢は下がって下肢と反対側の腕を振る相反的な腕振りが現れ、踵接地が出現し、歩隔は狭まり、歩幅が伸びるぶん歩行率(ケイデンス、1分あたりの歩数)は低下していきます。おおむね7〜8歳ごろに成人と同様の歩行パターンに近づきます。選択肢を判断するときは「まだ不安定だから、安定させるためにどうするか」という視点から逆算すると、覚え直さなくても答えを導けます。

✓ 4. 正しい
上肢を高く挙上する。
肩を外転し肘を屈曲して両上肢を高く構える姿勢(ハイガードポジション)をとります。バランスを保つための代償であり、歩行が安定してくるにつれて上肢の位置は下がり、やがて下肢と反対側の上肢を振る相反的な腕振りが現れます。
✗ 1. 誤り
歩行率(ケイデンス)が低い。
歩き始めの小児は下肢が短く歩幅が小さいため、同じ距離を進むのに多くの歩数が必要で、歩行率(1分あたりの歩数)は成人より高くなります。成長にともない歩幅が伸び、歩行率は下がっていきます。
✗ 2. 誤り
踵から接地する。
歩き始めの時期は足底全体をつけるように接地します(つま先から接地することもあります)。踵接地は歩行が安定してくる1歳半〜2歳ごろに現れる、成熟した歩行の指標です。
✗ 3. 誤り
支持基底面が狭い。
バランスをとりやすくするため両脚を左右に大きく開いて歩隔を広げ、支持基底面を広くとります。成長とともに歩隔は狭くなり、支持基底面も小さくなっていきます。
ポイント
  • ひとり歩きの開始は生後12〜15か月ごろ。バランス機構が未熟なため「安定優先」の歩き方になる。
  • 歩き始めの特徴=上肢を高く挙げる(ハイガード)、歩隔が広い(支持基底面が広い)、歩幅が小さく歩行率が高い、足底全体で接地、両脚支持期が長い。
  • 踵接地の出現は1歳半〜2歳ごろ。相反的な腕振りもこの前後から現れる。
  • 成熟にともなう変化=歩幅↑、歩行率↓、歩隔↓、踵接地の獲得、腕振りの獲得。
  • 成人と同様の歩行パターンに近づくのはおおむね7〜8歳ごろ。
比較表
項目歩き始めの小児成熟した歩行(成人)
上肢高く挙上して構える(ハイガードポジション)下垂し、下肢と反対側を振る(相反的な腕振り)
歩隔・支持基底面広い狭い
歩幅(ストライド)小さい大きい
歩行率(ケイデンス)高い低い
接地の仕方足底全体(またはつま先)踵接地から始まる
両脚支持期長い(割合が大きい)短い(1周期の約2割)
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