学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §3 運動の発現と制御 / QJ25A088

理由で解く 柔道整復師

QJ25A088 運動学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問88
問題
随意運動の発現で正しいのはどれか。
選択肢
1 随意運動が発現するときは始めに欲求・意図がある。
2 随意運動への意欲・動機づけは大脳運動野で行われる。
3 随意運動の計画・プログラムは大脳辺縁系で行われる。
4 随意運動プログラムは大脳感覚野から脊髄に伝達される。
解答
正解1(随意運動が発現するときは始めに欲求・意図がある。)
解説

随意運動は「〜したい」という欲求・意図から始まります。したがって1が正しい記述です。

随意運動の発現は階層的に進みます。まず大脳辺縁系で欲求・意欲・動機づけが生まれ、次に大脳連合野が「何をどうするか」という運動の企画を立て、大脳基底核や小脳と情報をやりとりしながら具体的な運動プログラムに変換します。できあがったプログラムは一次運動野へ送られ、そこから錐体路(皮質脊髄路)を下行して脊髄前角のα運動ニューロンに達し、筋が収縮します。運動が始まった後は、筋紡錘・腱・関節・視覚などからの感覚情報が小脳に戻り、意図とのズレが修正されます。この「動機づけ→計画→指令→実行→修正」という並びを一本の流れとして覚えておくと、部位を入れ替えただけの選択肢に気づけるようになります。

✓ 1. 正しい
随意運動が発現するときは始めに欲求・意図がある。
随意運動は目的をもって行う運動なので、出発点は必ず「〜したい」という欲求・意図(動機づけ)です。ここが、刺激に対して自動的に起こる反射運動との決定的な違いになります。意図がまずあり、それを実現する手段として運動プログラムが組み立てられる、という順序を押さえましょう。
✗ 2. 誤り
随意運動への意欲・動機づけは大脳運動野で行われる。
意欲・動機づけを担うのは情動の中枢である大脳辺縁系です。大脳運動野(一次運動野)は流れの終盤で、できあがったプログラムを運動指令として錐体路へ送り出す場所です。「辺縁系=やる気」「運動野=出力」と役割で覚え分けてください。
✗ 3. 誤り
随意運動の計画・プログラムは大脳辺縁系で行われる。
運動の計画・プログラム作成の中心は大脳連合野で、大脳基底核と小脳がこれを調節します。大脳辺縁系が担うのは、その前段階の動機づけです。2と3は「辺縁系」と「運動野・連合野」の担当がちょうど入れ替わった形になっているので、対にして確認しておくと効率的です。
✗ 4. 誤り
随意運動プログラムは大脳感覚野から脊髄に伝達される。
プログラムは一次運動野から錐体路(皮質脊髄路)を経て脊髄へ伝わります。大脳感覚野は末梢から上がってくる感覚情報を受け取る側で、指令を下ろす側ではありません。「下りは運動野、上りは感覚野」と方向で整理しておきましょう。
ポイント
  • 随意運動の流れ:欲求・意図(大脳辺縁系)→計画・プログラム(大脳連合野+大脳基底核・小脳)→指令(一次運動野)→錐体路→脊髄α運動ニューロン→筋。
  • 動機づけ=辺縁系、計画=連合野、実行指令=運動野、と部位を役割で対応づける。
  • 大脳基底核と小脳はプログラムを整える調節役で、直接筋へ指令は出さない。
  • 運動中は感覚フィードバックが小脳へ戻り、意図とのズレが修正される。
  • 反射運動と違い、随意運動は必ず目的・意図が先行する。
比較表
段階主に担当する部位内容
①動機づけ大脳辺縁系「〜したい」という欲求・意図が生じる
②計画・プログラム大脳連合野(+大脳基底核・小脳)何をどう動かすかを具体的な指令に変換
③指令の出力一次運動野錐体路へ運動指令を送り出す
④伝達・実行錐体路→脊髄α運動ニューロン→筋筋が収縮し運動が起こる
⑤修正感覚受容器→小脳など意図とのズレをフィードバックして修正
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