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理由で解く 柔道整復師

QJ25A056 解剖学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問56
問題
脊髄神経と上腕骨との位置関係で正しいのはどれか。
選択肢
1 腋窩神経は骨体の後面に沿って斜走する。
2 正中神経は解剖頸に沿う。
3 筋皮神経は外科頸に沿う。
4 尺骨神経は内側上顆の後方を通る。
解答
正解4(尺骨神経は内側上顆の後方を通る。)
解説

尺骨神経は上腕骨内側上顆の後方を、尺骨神経溝に沿って肘の後内側へ回り込む。肘の内側を打つと小指側がしびれるのはこのためである。

上腕骨に接して走る神経は、骨の部位ごとに決まっている。腋窩神経は外科頸の後面を後上腕回旋動脈とともに回り(四辺形間隙を通る)、三角筋・小円筋を支配する。橈骨神経は上腕骨体後面の橈骨神経溝を、内上方から外下方へ斜めに横切って下る。尺骨神経は上腕内側を下り、内側上顆の後ろの尺骨神経溝を通って前腕屈側へ入る。正中神経は上腕動脈と並んで上腕の内側を筋間中隔に沿って下るだけで、骨面には接しない。この対応を押さえておくと、骨折部位から麻痺神経を推定できる。外科頸骨折→腋窩神経、骨幹部骨折→橈骨神経(下垂手)、内側上顆部の外傷→尺骨神経(鷲手)、顆上骨折→正中神経・上腕動脈、と結び付けて整理するとよい。

✓ 4. 正しい
尺骨神経は内側上顆の後方を通る。
尺骨神経は上腕内側を下行し、内側上顆と肘頭の間にある尺骨神経溝を通って前腕へ入る。皮膚のすぐ下を骨に接して走るため圧迫や外傷を受けやすく、障害されると鷲手変形と小指・環指尺側の感覚障害が現れる。
✗ 1. 誤り
腋窩神経は骨体の後面に沿って斜走する。
骨体(骨幹)後面の橈骨神経溝を斜めに走るのは橈骨神経である。腋窩神経は上腕骨の外科頸の後面をほぼ水平に回り込むので、走る高さも向きも異なる。
✗ 2. 誤り
正中神経は解剖頸に沿う。
正中神経は上腕動脈とともに上腕の内側を下行し、上腕骨の骨面には沿わない。解剖頸は上腕骨頭の縁で関節包が付く部位であり、ここに沿って走る神経はない。
✗ 3. 誤り
筋皮神経は外科頸に沿う。
外科頸の後方に沿うのは腋窩神経である。筋皮神経は烏口腕筋を貫いたあと、上腕二頭筋と上腕筋の間を下行して外側前腕皮神経となるため、上腕骨に接しない。
ポイント
  • 外科頸=腋窩神経、骨体後面(橈骨神経溝)=橈骨神経、内側上顆後方(尺骨神経溝)=尺骨神経。
  • 正中神経と上腕動脈は上腕内側を並走し、骨面には接しない(顆上骨折では前方で圧迫されうる)。
  • 筋皮神経は烏口腕筋を貫き、上腕二頭筋と上腕筋の間を下る。
  • 骨折部位から麻痺神経を推定できるよう、部位と神経をセットで覚える。
  • 尺骨神経麻痺では鷲手変形、橈骨神経麻痺では下垂手、正中神経麻痺では猿手が典型。
比較表
上腕骨の部位接して走る神経障害時の主な所見
外科頸(後方を回る)腋窩神経三角筋麻痺、肩外側の感覚障害
骨体後面の橈骨神経溝(斜走)橈骨神経下垂手、手背橈側の感覚障害
内側上顆の後方(尺骨神経溝)尺骨神経鷲手、小指・環指尺側のしびれ
上腕内側(骨には接しない)正中神経・上腕動脈顆上骨折で圧迫され猿手、末梢の血行障害
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