学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ25A055

理由で解く 柔道整復師

QJ25A055 解剖学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問55
問題
喉頭の運動に関与するのはどれか。
選択肢
1 顔面神経
2 舌咽神経
3 迷走神経
4 舌下神経
解答
正解3(迷走神経)
解説

喉頭の筋(喉頭筋)はすべて迷走神経の枝、すなわち上喉頭神経外枝と反回神経(下喉頭神経)に支配される。

迷走神経の運動線維は延髄の疑核から出て、咽頭と喉頭の骨格筋を支配する。喉頭筋のうち声帯を緊張させる輪状甲状筋だけが上喉頭神経の外枝、それ以外のすべての喉頭筋は反回神経(下喉頭神経)の支配を受ける。声門を開大させる唯一の筋である後輪状披裂筋も反回神経支配なので、反回神経が障害されると声帯が正中付近で動かなくなり、嗄声や誤嚥をきたす。感覚も迷走神経が担い、声門より上は上喉頭神経内枝、声門より下は反回神経が受け持つ。左反回神経は大動脈弓を、右は右鎖骨下動脈を回って上行するため、胸部の病変や手術で麻痺が起こりうる。「喉頭は運動も感覚も迷走神経」と一括で覚えておくと、関連問題にも応用が利く。

✓ 3. 正しい
迷走神経
喉頭筋の運動をすべて担当する。輪状甲状筋は上喉頭神経外枝、その他の喉頭筋は反回神経(下喉頭神経)が支配する。発声・嚥下時の声門閉鎖と開大は、この神経の働きによる。
✗ 1. 誤り
顔面神経
顔面神経が支配する骨格筋は表情筋、アブミ骨筋、顎二腹筋後腹、茎突舌骨筋である。ほかに舌前3分の2の味覚と、涙腺・顎下腺・舌下腺の分泌を司るが、喉頭筋は支配しない。
✗ 2. 誤り
舌咽神経
運動として支配するのは茎突咽頭筋のみ。おもな役割は咽頭・舌後3分の1の感覚と味覚、耳下腺の分泌、頸動脈洞・小体からの情報伝達であり、喉頭の運動は担当しない。
✗ 4. 誤り
舌下神経
舌下神経は舌筋(内舌筋と、口蓋舌筋を除く外舌筋)の運動を支配する。舌を動かす神経であって、喉頭の筋には関与しない。
ポイント
  • 喉頭の運動も感覚も迷走神経(Ⅹ)が担当する。
  • 輪状甲状筋だけが上喉頭神経外枝、他のすべての喉頭筋は反回神経(下喉頭神経)支配。
  • 声門を開くのは後輪状披裂筋のみで、反回神経支配。障害されると嗄声・呼吸困難を生じる。
  • 感覚は声門より上が上喉頭神経内枝、声門より下が反回神経。
  • 迷走神経の運動線維の起始核は延髄の疑核(舌咽・副神経の一部と共有)。
比較表
脳神経支配する骨格筋喉頭運動への関与
顔面神経(Ⅶ)表情筋、アブミ骨筋、顎二腹筋後腹、茎突舌骨筋なし
舌咽神経(Ⅸ)茎突咽頭筋なし
迷走神経(Ⅹ)咽頭筋(大部分)、喉頭筋のすべて、軟口蓋の筋(口蓋帆張筋を除く)あり(上喉頭神経外枝・反回神経)
舌下神経(Ⅻ)内舌筋、外舌筋(口蓋舌筋を除く)なし
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