学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §7 生殖器系 / QJ25A050

理由で解く 柔道整復師

QJ25A050 解剖学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問50
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 卵巣動脈は固有卵巣索の内部を通る。
2 卵管の外側端は卵巣に密着している。
3 子宮円索は鼠径管を通る。
4 内子宮口は膣に開口する。
解答
正解3(子宮円索は鼠径管を通る。)
解説

子宮円索は子宮体の外側上部から起こり、深鼠径輪から鼠径管を通って大陰唇の皮下に終わります。正答は3。

女性内性器を支える索状構造は名前が似ていて紛らわしいので、「どこからどこへ行くか」と「中に何が通るか」で整理すると混乱しません。子宮円索は子宮体外側上部(卵管子宮口のすぐ前下方)から起こり、広間膜の前葉に包まれて骨盤側壁を前外側へ進み、深鼠径輪に入って鼠径管を通り抜け、浅鼠径輪から出て大陰唇と恥丘の皮下結合組織に散ります。発生学的には男性の精巣導帯に相同で、精巣が陰嚢へ下降するときに使う道(鼠径管)を、女性では子宮円索がそのまま通っていると考えると走行が納得できます。一方、固有卵巣索は卵巣と子宮とを結ぶ短い索(これも導帯由来)で、太い血管は通りません。卵巣に向かう卵巣動脈が通るのは卵巣提索(骨盤漏斗靱帯)で、こちらは卵巣を骨盤側壁につないでいます。この「提索=血管の通り道」「固有卵巣索=つなぎ止めるだけ」という役割分担を先に押さえてから、卵管・子宮口の各部の名称に進むと定着します。

✓ 3. 正しい
子宮円索は鼠径管を通る。
子宮円索は子宮体外側上部から起こり、広間膜の前葉に包まれて前外側へ向かい、深鼠径輪→鼠径管→浅鼠径輪と進んで大陰唇の皮下に終わります。男性の精巣導帯に相同で、精巣が通るのと同じ経路をたどる索です。女性にも鼠径管という弱点があることが、女性の鼠径ヘルニアや円索に沿った嚢腫(Nuck管水腫)を理解する土台になります。
✗ 1. 誤り
卵巣動脈は固有卵巣索の内部を通る。
卵巣動脈は第2腰椎の高さで腹大動脈から直接分岐し、大腰筋の前面を下行して骨盤縁を越え、卵巣提索(骨盤漏斗靱帯)の中を通って卵巣に達します。固有卵巣索は卵巣と子宮体をつなぐ索で、ここを通るのは卵巣動脈ではありません(近傍を子宮動脈の卵巣枝が走り、卵巣動脈と吻合します)。「動脈が通るのは提索、固有卵巣索はつなぐだけ」と役割で覚えます。
✗ 2. 誤り
卵管の外側端は卵巣に密着している。
卵管の外側端は卵管腹腔口として腹膜腔に開いており、卵巣とは連続も密着もしていません。先端の卵管采のうち1本(卵巣采)が卵巣に届いて排卵された卵子を捕らえますが、あくまで手を伸ばして受け止める関係です。この構造のため女性では腹膜腔が卵管・子宮・膣を介して外界と通じており、上行性感染(骨盤腹膜炎)の経路になる点まで結びつけて覚えます。
✗ 4. 誤り
内子宮口は膣に開口する。
内子宮口は子宮腔と子宮頸管との境にある狭窄部で、子宮腔側を向いています。膣に開くのは子宮頸部の下端にある外子宮口です。「内は子宮腔側、外は膣側」と、上下の位置で対にして覚えると取り違えません。
ポイント
  • 子宮円索=子宮体外側上部→深鼠径輪→鼠径管→浅鼠径輪→大陰唇。男性の精巣導帯に相同。
  • 卵巣動脈は腹大動脈から直接分岐(L2の高さ)し、卵巣提索(骨盤漏斗靱帯)の中を通る。
  • 固有卵巣索は卵巣と子宮体を結ぶだけで、太い血管の通り道ではない。
  • 卵管腹腔口は腹膜腔に開放。卵管采(卵巣采)が卵巣に届くが、卵管と卵巣は連続しない。
  • 子宮口は内=子宮腔と頸管の境、外=頸管が膣に開く口。上下の並びで確認する。
比較表
索・靱帯どこからどこへ中を通る主なもの発生学的由来など
卵巣提索(骨盤漏斗靱帯)卵巣 → 骨盤側壁卵巣動静脈・リンパ管・神経血管の通り道
固有卵巣索卵巣 → 子宮体外側太い血管は通らない精巣導帯の上半に相当
子宮円索子宮体外側上部 → 鼠径管 → 大陰唇円索に伴走する細い動脈精巣導帯の下半に相当
基靱帯(子宮頸横靱帯)子宮頸部 → 骨盤側壁子宮動脈・尿管が近くを走る子宮を支える主役
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