学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ25A039

理由で解く 柔道整復師

QJ25A039 解剖学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問39
問題
写真(別冊 No. 1)を別に示す。僧帽弁はどれか。
図
選択肢
1 a
2 b
3 c
4 d
解答
正解3
解説

写真は心房を取り除いて4つの弁を一平面に並べた「心底」の像です。僧帽弁は左房室弁で、中央の半月弁(大動脈弁)と線維性につながっている房室弁口=cが該当します。正答は3。

心底では、4つの弁輪が心臓の線維骨格(線維輪)でひとつながりになって並びます。並び方には決まりがあり、前方に半月弁が2つ(肺動脈弁・大動脈弁)、後方に房室弁が2つ(僧帽弁・三尖弁)、そして大動脈弁が全体のほぼ中央に楔(くさび)のようにはまり込みます。写真でも、切り開かれた大血管の内腔に半月弁が見えるものが2つ(a・b)、大きな楕円形の房室弁口が2つ(c・d)並んでいます。ここから僧帽弁を確実に拾うコツが「大動脈弁と地続きになっている房室弁を選ぶ」ことです。僧帽弁の前尖は大動脈弁の弁輪と線維性に直接連続しており(大動脈弁‐僧帽弁線維性連続)、三尖弁は中心線維体を挟んでやや離れます。写真では中央の弁(b)の弁輪から滑らかな線維性の膜が続いて弁尖に移行している側がcで、これが左房室弁=僧帽弁です。加えて、僧帽弁は前尖・後尖の2尖(このため二尖弁ともいう)、三尖弁は前尖・後尖・中隔尖の3尖という尖の数も確認の手がかりになります。標本写真では見分けにくいことがあるので、まず「半月弁か房室弁か」→次に「大動脈弁と連続するか」の2段階でたどる手順を身につけてください。

✓ 3. 正しい
c
写真で、中央の半月弁(b)の弁輪から続く滑らかな線維性の膜がそのまま弁尖に移行している側の房室弁口がcです。これが大動脈弁‐僧帽弁線維性連続で、僧帽弁前尖を示します。したがってcは左心房と左心室の間にある左房室弁=僧帽弁で、左心室が収縮するときに閉じて左心房への逆流を防ぎます。
✗ 1. 誤り
a
切り開かれた大血管の内腔にポケット状の弁尖が見えており、半月弁です。心底で最も前方(写真では上方)に位置することから肺動脈弁にあたります。半月弁には腱索も乳頭筋もなく、房室弁である僧帽弁ではありません。
✗ 2. 誤り
b
心底のほぼ中央にある半月弁で、大動脈弁です。左右の房室弁口の間に楔状にはまり込み、僧帽弁前尖と線維性に連続します。僧帽弁を探すときの目印にはなりますが、弁そのものは大動脈弁であり、房室弁ではありません。
✗ 4. 誤り
d
cと反対側にあるもう一方の房室弁口で、右心房と右心室の間の右房室弁=三尖弁です。前尖・後尖・中隔尖の3尖からなり、弁口は一般に僧帽弁口より大きくなります。房室弁である点は僧帽弁と同じなので、「大動脈弁と線維性に連続するのはどちらか」で切り分けます。
ポイント
  • 僧帽弁=左房室弁=二尖弁。前尖・後尖の2尖で、左心房から左心室への通路にある。
  • 心底の並びは「前に半月弁2つ、後ろに房室弁2つ、大動脈弁が中央」。
  • 同定の決め手は大動脈弁‐僧帽弁線維性連続。大動脈弁と地続きの房室弁が僧帽弁。
  • 半月弁(肺動脈弁・大動脈弁)には腱索・乳頭筋がない、房室弁(僧帽弁・三尖弁)にはある
  • 開くタイミング:房室弁は心室拡張期に開き収縮期に閉じる。半月弁はその逆。名称は司教冠(ミトラ)に由来。
比較表
写真の記号位置尖の数腱索・乳頭筋開くとき
肺動脈弁a右心室→肺動脈幹。心底で最も前方3(半月尖)なし心室収縮期
大動脈弁b左心室→大動脈。心底のほぼ中央3(半月尖)なし心室収縮期
僧帽弁(左房室弁)c左心房と左心室の間。大動脈弁と線維性に連続2あり心室拡張期
三尖弁(右房室弁)d右心房と右心室の間3あり心室拡張期
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