学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ24A041

理由で解く 柔道整復師

QJ24A041 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問41
問題
胎児循環において肺動脈と大動脈を短絡するのはどれか。
選択肢
1 臍静脈
2 静脈管
3 動脈管
4 卵円孔
解答
正解3(動脈管)
解説

肺動脈幹と大動脈弓を直接つなぐ胎児期の短絡路は 3 の動脈管(ボタロー管)である。

胎児は肺で呼吸をしていないため、肺の血管は収縮していて抵抗が高い。そのため右心室から肺動脈幹へ送り出された血液の大部分は肺へ行かず、動脈管を通って大動脈弓(左鎖骨下動脈分岐部のすぐ遠位)へ流れ込み、下半身と胎盤へ向かう。胎児循環にはこのほか、臍静脈からの血液を肝臓を迂回させて下大静脈へ導く静脈管、右心房から左心房へ血液を送る卵円孔という短絡があり、いずれも「肺と肝臓を通らずに済ませる」ための仕組みである。出生後は肺呼吸が始まって肺血管抵抗が下がり、動脈血酸素分圧の上昇とプロスタグランジンの低下により動脈管は収縮して機能的に閉じ、やがて動脈管索という線維性の索に変わる。短絡路と出生後の遺残物を3組セットで書き出せるようにしておくと、この分野は一気に得点源になる。

✓ 3. 正しい
動脈管
肺動脈幹(左肺動脈の起始部付近)と大動脈弓を結ぶ短絡路。ボタロー管ともいう。出生後に閉じ残ると動脈管開存症となり、大動脈から肺動脈へ血液が流れ込む左右短絡を生じる。閉鎖後は動脈管索となる。
✗ 1. 誤り
臍静脈
胎盤から胎児へ酸素と栄養に富む血液を運ぶ血管(1本)で、短絡路ではなく供給路である。出生後は肝円索となる。なお臍動脈(2本)は胎児から胎盤へ向かい、閉鎖後は臍動脈索(内側臍ヒダ)になる。
✗ 2. 誤り
静脈管
アランチウス管ともいい、臍静脈の血液を肝臓の類洞を通さずに直接下大静脈へ導く短絡路。つなぐ相手が静脈系どうしである点が動脈管と決定的に違う。閉鎖後は静脈管索となる。
✗ 4. 誤り
卵円孔
心房中隔にある孔で、右心房から左心房へ血液を通す短絡。動脈どうしではなく心房間の短絡である。出生後は左房圧の上昇で閉じ、卵円窩として痕を残す。
ポイント
  • 動脈管=肺動脈幹 ↔ 大動脈弓。肺を迂回させる短絡で、出生後は動脈管索。
  • 静脈管=臍静脈 ↔ 下大静脈。肝臓を迂回させる短絡で、出生後は静脈管索。
  • 卵円孔=右心房 ↔ 左心房。出生後は卵円窩。
  • 臍静脈(1本、動脈血に富む)→肝円索、臍動脈(2本)→臍動脈索。本数と血液の性状もセットで。
  • 3つの短絡はすべて「胎児では肺と肝臓が働いていない」ことから導ける。丸暗記より理由から復元する。
比較表
構造つなぐ場所迂回するもの出生後の遺残
動脈管肺動脈幹 → 大動脈弓動脈管索
卵円孔右心房 → 左心房卵円窩
静脈管臍静脈 → 下大静脈肝臓静脈管索
臍静脈胎盤 → 胎児—(供給路)肝円索
臍動脈胎児 → 胎盤—(還流路)臍動脈索
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。