学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ24A040

理由で解く 柔道整復師

QJ24A040 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問40
問題
左静脈角に流入するのはどれか。
選択肢
1 胸管
2 門脈
3 奇静脈
4 大伏在静脈
解答
正解1(胸管)
解説

左静脈角に注ぐリンパ本幹は 1 の胸管である。

静脈角とは内頸静脈と鎖骨下静脈が合流して腕頭静脈になる部位をいい、左右にある。全身のリンパは最終的にこの静脈角で静脈系に合流するが、左右で受け持ち範囲が違う。胸管は第1〜2腰椎の高さで乳び槽として始まり、横隔膜の大動脈裂孔を通って後縦隔を上行し、左静脈角に開口する。集めるのは下半身全部と左上半身、すなわち全身のおよそ4分の3のリンパである。残る右上半身(右の頭頸部・右上肢・右胸部)のリンパは右リンパ本幹に集まり、右静脈角に注ぐ。「左は広く(3/4)、右は狭い(1/4)」と面積で覚えておくと、リンパ節転移の広がり方を考えるときにも役立つ。

✓ 1. 正しい
胸管
人体最大のリンパ管。乳び槽 → 大動脈裂孔 → 後縦隔 → 左静脈角という経路をとる。腸リンパ本幹から脂肪を吸収した乳白色のリンパ(乳び)を受けるため、始まりの拡張部が「乳び槽」と呼ばれる。
✗ 2. 誤り
門脈
上腸間膜静脈と脾静脈が合流してできる静脈で、腹部消化管・脾臓・膵臓からの血液を肝臓へ運ぶ。肝臓で類洞を経て肝静脈となり下大静脈へ注ぐため、静脈角とは無関係である。
✗ 3. 誤り
奇静脈
胸椎の右側を上行して後胸壁の血液を集め、第4胸椎の高さで前方へ弓状に曲がって上大静脈に注ぐ。上大静脈・下大静脈をつなぐ側副路として重要だが、注ぐ先は静脈角ではない。
✗ 4. 誤り
大伏在静脈
人体で最も長い皮静脈。足背静脈弓の内側端から内果の前方を通って下肢内側を上行し、伏在裂孔で大腿静脈に注ぐ。下肢静脈瘤の好発部位でもある。
ポイント
  • 静脈角=内頸静脈+鎖骨下静脈の合流部(腕頭静脈の起始部)。
  • 左静脈角=胸管(下半身全部+左上半身=全身の約3/4)、右静脈角=右リンパ本幹(右上半身=約1/4)。
  • 胸管の経路:乳び槽(第1〜2腰椎の高さ) → 大動脈裂孔 → 後縦隔を上行 → 左静脈角。
  • 奇静脈は上大静脈へ、大伏在静脈は大腿静脈へ、門脈は肝臓へ。注ぎ先で仕分けると混同しない。
  • 胃癌の左鎖骨上リンパ節転移(ウィルヒョウ転移)は、胸管が左静脈角に注ぐ経路で説明できる。
比較表
脈管注ぐ先集める範囲
胸管左静脈角下半身全部+左上半身(約3/4)
右リンパ本幹右静脈角右の頭頸部・上肢・胸部(約1/4)
奇静脈上大静脈後胸壁(右側)
大伏在静脈大腿静脈下肢内側の皮下
門脈肝臓(類洞)腹部消化管・脾・膵
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