学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ24A039

理由で解く 柔道整復師

QJ24A039 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問39
問題
神経と伴走する動脈の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 腋窩神経腋窩動脈
2 橈骨神経-上腕深動脈
3 大腿神経-大腿深動脈
4 脛骨神経前脛骨動脈
解答
正解2(橈骨神経-上腕深動脈)
解説

橈骨神経は上腕深動脈とともに上腕骨後面の橈骨神経溝を走る。正しい組合せは 2 である。

末梢では神経・動脈・静脈が同じ結合組織の鞘に包まれて「血管神経束」として走ることが多く、どの神経がどの動脈と組むかは走行部位で決まる。橈骨神経は腋窩で腕神経叢後神経束から分かれた後、上腕動脈から出た上腕深動脈と一緒に上腕三頭筋の長頭と内側頭の間を通り、上腕骨後面の橈骨神経溝(螺旋溝)を外下方へ回り込む。骨に直接接して走るため、上腕骨骨幹部(中央〜遠位1/3)の骨折では橈骨神経麻痺を合併しやすく、手関節と手指の伸展ができない下垂手を生じる。他の選択肢はいずれも実際の伴走関係とずれており、正しい組合せへ置き換えて覚え直すと知識が増える。

✓ 2. 正しい
橈骨神経-上腕深動脈
両者は上腕骨後面の橈骨神経溝を並んで走る。同じ経路をたどるからこそ、上腕骨骨幹部骨折では神経・血管がまとめて損傷を受けやすい。
✗ 1. 誤り
腋窩神経腋窩動脈
腋窩神経が伴走するのは腋窩動脈の枝である後上腕回旋動脈で、両者は外側腋窩隙(四辺形間隙)を通って三角筋・小円筋へ向かう。腋窩動脈は上肢へ向かう本幹であり、腋窩神経と組にはならない。
✗ 3. 誤り
大腿神経-大腿深動脈
大腿神経は鼡径靱帯の下を筋裂孔から、大腿動脈は血管裂孔から大腿へ入り、大腿三角では神経が動脈の外側に並ぶ。大腿深動脈は大腿動脈から分かれて深部へ潜る枝であり、大腿神経と一緒に走るわけではない。神経と同名動脈が組む代表例としては閉鎖神経—閉鎖動脈を押さえておくとよい。
✗ 4. 誤り
脛骨神経前脛骨動脈
脛骨神経が伴走するのは後脛骨動脈で、下腿後面の深層を下行して足根管へ入る。前脛骨動脈に伴走するのは深腓骨神経であり、前後の区画を取り違えないよう区画(コンパートメント)ごとに整理する。
ポイント
  • 橈骨神経+上腕深動脈=橈骨神経溝(螺旋溝)。上腕骨骨幹部骨折→下垂手、と一続きで覚える。
  • 腋窩神経+後上腕回旋動脈=外側腋窩隙(四辺形間隙)。上腕骨外科頸骨折・肩関節脱臼で損傷しやすい。
  • 下腿後面深層は脛骨神経+後脛骨動脈、前面は深腓骨神経+前脛骨動脈。区画で対にする。
  • 鼡径部では大腿神経=筋裂孔、大腿動静脈=血管裂孔。大腿三角では外側から順にN(神経)→A(動脈)→V(静脈)
  • 正中神経+上腕動脈、尺骨神経+上尺側側副動脈も併せて整理しておくと組合せ問題に強くなる。
比較表
神経伴走する動脈走行部位
腋窩神経後上腕回旋動脈外側腋窩隙(四辺形間隙)
橈骨神経上腕深動脈上腕骨後面の橈骨神経溝
正中神経上腕動脈上腕内側の内側二頭筋溝
大腿神経(大腿動脈の外側に並走)筋裂孔/大腿三角
脛骨神経後脛骨動脈下腿後面深層〜足根管
深腓骨神経前脛骨動脈下腿前面(前区画)
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